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外壁塗装にアクリル塗料は使えない?メリットやデメリットを紹介します

外壁塗装に使われる塗料には、様々な種類が存在します。
その中でもアクリル塗料は、20~30年前まで外壁塗装の主流の塗料として使われてきました。
しかし、今ではほとんど外壁塗装のリフォームには使われなくなっています。

アクリル塗料が外壁塗装に使われなくなった最大の理由は、耐久性に難があるためです。
最近では、シリコン塗料のような耐久性の高い塗料が比較的安くなってきたため、アクリル塗料からシリコン塗料へと主流が移ってきているのです。

ただ、アクリル塗料にもそれなりにメリットがあり、使う場面を選べば今でも外壁塗装に使うことはできます。
ここでは、アクリル塗料のメリットやデメリット、外壁塗装に使う際の注意点などを紹介していきたいと思います。

目次

画像:塗装職人

アクリル塗料の特徴

アクリル塗料は、アクリル系の合成樹脂が主成分の塗料になります。
現在、外壁塗装に使われる塗料としては最もグレードが低く、安い代わりに耐久性も低い塗料がアクリル塗料です。

長期に渡り建物を風雨から守るにはあまり向いていない塗料ですが、外壁塗装に全く使えないというわけでもありません。
使いどころや使用方法を考えれば、現在でも外壁塗装で使っても問題ない塗料となっています。

アクリル塗料の耐用年数

アクリル塗料の耐用年数は、3~8年程度です。
外壁塗装は10年に1度と言われていますが、そこまで持たないので早めの塗り替えが必要になってきます。
アクリル塗料の場合、平均すると5年に一度は塗り替えなければならなくなるでしょう。

塗り替えの回数が増えるということは、それだけ手間と時間がかかるということです。
それに、コストも馬鹿になりませんね。
だからこそ、最近では長持してコストパフォーマンスが良い、シリコン塗料が主流となっているのです。

アクリル塗料を外壁塗装に使うメリット

外壁塗装にアクリル塗料は使われなくなってきていますが、使ってはいけないというわけではありません。
20~30年前は主流で使われていた塗料なので、耐用年数の短さに気をつけていれば、今でも外壁塗装に使うことは可能です。

ただ、耐用年数を犠牲にしてまで、得られるメリットがあるのでしょうか。
ここでは、アクリル塗料を外壁塗装に使うメリットをいくつか紹介していきましょう。

単価が安い

アクリル塗料の最大のメリットが、塗料の価格が安いということです。
現在主流のシリコン塗料と比べると、大体半額から3分の1程度の値段に抑えることができます。

安いからと言って、粗悪な塗料というわけでもありません。
きちんと施行を行っているなら、耐用年数の範囲内で外壁を保護する力は十分備わっています。
ただ、長持ちしないため、頻繁に塗り替える必要があるということです。

短いスパンでの塗り替えを前提としているなら、外壁塗装のリフォームに使っても問題ない塗料ということができます。
イメージチェンジも兼ねて、5年程度で家の色を替えたいという方なら、アクリル塗料を使ったので問題はないでしょう。

発色が良い

特に油性のアクリル塗料は、非常に発色が良く鮮やかな色を再現できます。
色の種類も豊富で、ほとんどどのような色の希望も叶えることができるでしょう。
また、変色しづらいので、耐用年数の間でなら美しい外壁を保持することができます。

ただ、汚れをはじく効果は低いので、こまめに掃除しなければ薄汚れた印象になってしまいかねません。
お手入れが面倒という方は、避けた方が無難ですね。

塗りやすい

アクリル塗料は1液型のタイプが多く、素人でも扱いやすい塗料となっています。
1液型というのは、硬化剤などを配合する必要のない塗料で、買ってきた状態でそのまま使うことができます。
塗って乾燥させればいいだけなので、塗りむらが少なく硬化不良を起こす心配もありません。

DIYを楽しむ一環として、手の届く範囲にある、ちょっとした付帯部分を塗る程度ならオススメの塗料です。
ただ、高所を足場無しに塗装するのは非常に危険なので、外壁をご自身で塗装することはあまりオススメできません。

アクリル塗料を外壁塗装に使うデメリット

アクリル塗料が外壁塗装に使われなくなってきているのは、デメリットが大きいからです。
いくつかメリットもありますが、それを上回るデメリットが存在します。
ここからは、アクリル塗料を外壁塗装に使うデメリットを見ていきましょう。

耐候性が低く劣化が早い

アクリル塗料の最大のデメリットは、耐候性が低く劣化が早いことです。
紫外線や雨の影響を受けてどんどん劣化していくので、一般的に使われているシリコン塗料の半分程度しか塗装が持ちません。

劣化が早いと、その分外壁塗装のリフォームも頻繁に行わなければならなくなります。
塗料自体の価格は安いですが、外壁塗装のリフォームにかかる費用は、足場代や人件費など塗料以外にかかる費用が半分以上を占めます。
そのため、長いスパンで見ると塗り替えの頻度が多くなることで、塗装にかかる費用が余分にかかることになってしまうのです。

長い目で見ればコストパフォーマンスが悪くなるので、外壁塗装にお金をかけたくない方にはあまりオススメできません。

ひびが入りやすい

アクリル塗料は塗膜が固くなるため、ひびが入りやすくなります。
ちょっとした揺れでもひびが入るおそれがあるため、揺れの影響が大きい立地の家には使わない方が無難です。

幹線道路や線路沿いなどの立地は、揺れの影響を毎日受けてしまいます。
アクリル塗料を使わない方が無難でしょう。

浸透性が良すぎる

アクリル塗料は、浸透性が良く室内の湿気を外部に逃がしてくれます。
ただ、外部の湿度が高い場合は、外部の湿気を室内に入れてしまうので注意が必要です。
海や川の近くといった湿度の高い地域では、アクリル塗料はそもそも不向きということになります。

また、浸透性が高いため、汚れなどをはじく効果にもあまり期待が持てません。
掃除しないで放置していると、外壁がどんどん汚れて建物全体の印象が悪くなってしまいます。

ただ、汚れをはじかない分、塗料をはじくこともありません。
重ね塗りがしやすいので、浸透性が高いことはメリットにもデメリットにもなりえます。

外壁塗装にアクリル塗料が使われるシチュエーション

国税庁が発表する建物の耐用年数にも外壁塗装の寿命は影響する

あまり外壁塗装には向かないアクリル塗料ですが、それでも使われるシチュエーションがあります。
ここからは、どんな場面でアクリル塗料が使われているのか見ていきましょう。

新築の塗装

新築の家の場合、建材が微妙に動くことや膨張や収縮が激しいといった理由から、どのような塗料を使っていても塗装にひび割れが生じる可能性があります。

そこで、建材が落ち着いたときに外壁塗装をリフォームすることを前提として、最初は安価なアクリル塗料が選択されることがあります。
高価な塗料が、数年でひび割れたらもったいないですからね。

また、建売住宅の場合、購入後に好みの外壁に塗り替えたいという方も多いと思います。
そこで、購入後すぐに塗り替えられることを前提として、安価なアクリル塗料で外壁が塗装されている場合もあります。

さらに、建売住宅の場合は、安さが売りとなることがほとんどです。
そこで、少しでもコストを抑えるため、外壁塗装をアクリル塗料にしている場合もあるようです

いずれにせよ、新築物件を購入した際は、外壁塗装に使われている塗料を確認し、外壁塗装のリフォーム時期も検討しておいた方がいいでしょう。

頻繁に塗り替えたい場合

家の外壁塗装にもこだわって、イメージチェンジの一環として頻繁に塗り替えたいという方もいるかと思います。
そのような場合なら、アクリル塗料の耐久性の低さはあまり気にしなくてもいいでしょう。
5年程度のスパンで塗り替えるなら、劣化する前に塗り替えることができますからね。

このような場合、塗料が安く発色もよいアクリル塗料のメリットを最大限活かすことができます。
家の色を替えて気分転換をしたいという方なら、アクリル塗料がオススメです。

内装の塗装

外壁塗装とは少し離れますが、部屋の内装の塗装ならアクリル塗料でも全く問題がありません
部屋の内部なら風雨にさらされることもないため、劣化がほとんど気にならないのです。

しかも、アクリル塗料は素人でも扱いやすいので、自分でDIYするのにも最適です。
内装の塗装を考えているのなら、アクリル塗料を選択すると安く済ませることができるでしょう。

アクリルとポリカーポネイトとの違いはこちら

外壁塗装でアクリル塗料を使う場合の注意点

数年で外壁の雰囲気を変えたい場合や、とりあえず一度の塗装費用を抑えたい場合などは、アクリル塗料を選択することになるかもしれません。

ただ、アクリル塗料にはデメリットが多いのも事実です。
もし、外壁塗装をアクリル塗料で行うなら、どのようなことに注意すればよいのでしょう。
ここからは、外壁塗装をアクリル塗料で行う際の注意点を見ていきましょう。

塗り替え頻度が増えることは計画しておく

アクリル塗料は安価ですが、耐久力がないためどうしても塗り替えの頻度を増やさなければなりません。
頻度が増えるということは、当然コストもかかります
そのことを理解した上で、計画的に外壁塗装を実施していかなくてはなりません。

外壁塗装は10年に1度と言われていますが、アクリル塗料を使うと10年も持ちません。
5年に1度を目安に塗り替える計画を立て、金銭的な準備も進めていきましょう。

屋根には使わない

屋根は、建物の中でも最も塗装の劣化が激しい部分です。
外壁に塗装して5年持つ塗料であっても、環境が厳しい屋根の塗装になると、さらに耐用年数は短くなります。
屋根の塗装が耐久性を失うと、屋根自体が劣化し最悪の場合雨漏りに繋がるおそれまであります。

屋根用のアクリル塗料というものは大手メーカーからは発売されておらず、それほど不向きということです。
外壁にアクリル塗料を選択する場合でも、屋根だけは耐久性の高い塗料を選択するようにしましょう。

外壁塗装に使えるアクリル塗料の種類

最近では、アクリル塗料の弱点を克服した、新しいタイプの塗料も開発されてきています。
ここからは、性能が強化されたアクリル塗料をいくつか紹介していきましょう。

弾性アクリル塗料

アクリル塗料の「塗膜が固くなる」というデメリットを改善して、塗膜に弾性を持たせた塗料です。
塗膜にある程度の伸縮性がつくことで、ひび割れを抑えることができます。

ただし、耐候性や耐久性という点においては、通常のアクリル塗料と変わりありません。
劣化しやすいことは同じなので、外壁塗装を長持ちさせるなら違う塗料を選択してください。

ピュアアクリル塗料

ピュアアクリル塗料は、アクリル塗料から不純物を完全に排除し、アクリルの純度を高めた特殊な塗料です。
アクリルは本来、耐候性や防水性に優れた樹脂です。
しかし、塗料と混合する段階で不純物が混入することで、その性能が著しく低下してしまいます。

ピュアアクリル樹脂は、アクリルの純度を高めることで、アクリル塗料の「耐久性が低い」という最大の弱点を克服しています。
耐用年数は12年~15年程度といわれており、外壁塗装の主流のシリコンよりも長持ちする塗料となっているのです。

ただし、その分価格も高くなっています。
アクリル塗料のメリットである価格の安さは完全に失われているので、もはや従来のアクリル塗料とは別物と考えた方がいいかもしれません。

アクリル塗料は手抜き工事に使われるので注意

アクリル塗料最大のメリットは、塗料自体の価格が安価なことでした。
その安さを悪用して、手抜き工事に使う悪徳な業者も存在するので注意してください。
シリコン塗料のような、アクリル塗料より高い塗料の金額を請求しておき、実際は安いアクリルで外壁を塗装すれば、差額を丸々儲けることができるというわけです。

このような手抜き工事を防ぐためにも、工事に入る前に一度塗料を見せてもらっておいた方がいいでしょう。

それから、見積もりの段階で、頼んでもいないのにアクリル塗料を勧めてくる業者にも注意が必要です。
安価な塗料を勧めておき、無理に値段を安く見せようとしていることが考えられます。
また、アクリル塗料は劣化が早いので、工事回数を増やして儲けようとしている可能性も考えられるでしょう。

基本的に外壁塗装では、お客様が望まない限りアクリル塗料を勧めることはありません。
なにも言っていないのに最初からアクリル塗料が見積もりに入っているなら、その業者は疑った方が無難です。

塗料の事で疑問があるなら辻塗装へご相談ください

一言に塗料と言っても種類は無数にあるため、どの塗料を使うべきかご自身では判断が難しいかと思います。
しかし、業者の言いなりとなってしまっては、騙されてしまうリスクを増やしてしまいます。
外壁塗装は悪徳業者が多い業界なので、優良な業者を探すことがまずは不可欠となるのです。

もし外壁塗装をお考えで、「どの塗料を使うべきか分からない」と疑問に思っているなら、私たち(辻塗装)に一度相談してみてください。
福岡で36年の実績と経験を持つ私たちなら、これまでの経験を活かし、あなたの要望や立地の特性に合わせた最適な塗料をご提案することができます。

塗料以外のことでも、塗装の疑問なら何でもお答えいたしますので、お気軽に相談してみてくださいね。


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