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外壁塗装と同時にチェック!金属屋根が雨漏りしたらどうする?

写真:トタン屋根

最近の金属屋根は、耐久性が高まり雨漏りしづらいと言われていますが、それでも雨漏りが起こらないわけではありません。
金属屋根は、どんな状況で雨漏りが起きてしまうのでしょうか。
また、雨漏りしてしまった場合にはどんな対処が必要なのでしょうか。

金属屋根の特性を知って、雨漏りをできるだけ事前に防ぎたいですね。
万が一雨漏りしてしまった場合、金属屋根に適した修理方法がありますので、知っておくとよいでしょう。

目次

金属屋根とは

金属屋根とは、屋根の表面の素材が金属でできているものを指します。
素材はトタンやガルバリウム鋼板が主流ですが、ステンレス、銅、チタンなどでできた屋根もあります。

金属屋根の施工方法は、縦葺きと横葺きがあります。
縦葺きは昔ながらの工法で、最近ではデザインのバリエーションが豊富な横葺きが主流です。

サビに強い金属屋根もいずれは劣化するため、塗装でコーティングされています。
しかし、塗装は日が当たったり雨を受けたりするうちに次第に剥がれていきます。

塗装が剥がれるとサビにつながり、やがては穴が開き雨漏りを引き起こします。
そこで、10年程度を目安に定期的に塗装などのメンテナンスを実施してください。

屋根自体の耐用年数は、30年程度と言われています。
劣化が進むと雨漏りが起きやすくなるので、葺き替えを検討することになります。

通常は屋根に多少の傷みがあっても、下地の防水シートや野地板といった下地があることで二重三重に家が守られていて雨漏りには至りません。
しかし、下地が傷んでいるとあっという間に雨漏りへと進行してしまいます。
下地は表面からは見えない部分なので、意識的にチェックをした方がよいでしょう。

金属屋根の雨漏りの原因

金属屋根は他の屋根材と比べると、継ぎ目が少なく雨漏りがしづらい構造です。
しかし、サビが起きると一気に屋根の内部へ水が入り込むため、サビには特に気を付けなくてはなりません。
また、金属の屋根材はとても薄く、へこみが生じる場合もあります。

ここでは、雨漏りの原因を詳しくみていきましょう。

浮きや剥がれ

建材の老朽化や風圧などで屋根を固定する力が弱まってしまい、端や継ぎ目から剥がれたり、浮いたりしてしまうことがあります。
剥がれや浮きが発生すると、より一層風の影響を受けやすくなり、さらに剥がれや浮きを助長するという悪循環になります。

縦葺きの場合、ハゼと呼ばれる屋根材同士を折り曲げてつなげている箇所は、古くなるとつなぎ目が浮き上がりやすくなります。
屋根材に隙間ができると、直接下地へ雨が当たってしまい、下地が耐え切れず、雨漏りへとつながってしまいます。

サビ

サビは金属屋根特有の現象で、金属屋根ではよくある雨漏りの原因でもあります。
サビはゆっくり進行します。
最初は少しのサビでも、徐々に広がり最終的には穴をあけてしまいます

塗装が劣化し、金属面がむき出しとなるとサビが起こります。
金属の色が褪せてきたら、塗装が劣化しているサインです。

また、風で飛んできた物が当たるなど、キズができるとサビにつながりやすくなります。
さらに、釘からのサビも周囲に広がっていくので要注意です。

へこみ

アンテナ工事などで屋根に上った際に、重みでへこんでしまうことがあります。

屋根にへこみがあると、水がたまってしまいます。
水がたまると、そこだけ劣化が激しくなり雨漏りにつながります。

棟板金の損傷

屋根の頂上部分を覆う建材のことを、棟板金と呼びます。
胸板金には、頂上からの水の浸入を防ぐ役割があります。

ただ、風が当たりやすく、あおられて次第に釘がゆるんでくると隙間があいたり、はずれてしまったりすることもあります。
広がったわずかな釘穴からも、水は入り込んでいきます。
棟板金の中には貫板と呼ばれる下地が入っていますが、貫板が木材の場合には水が入ることで腐食する恐れがあります。

谷板金の損傷

谷は屋根と屋根が合わさる場所で、低くなり水が集まる場所です。
そこで、つなぎ目に谷板金という部材をつけ、水が入らないようにしています。

谷からの雨漏りは、非常に多いと言われています。
谷は屋根面からの雨が集中的に流れ込み、負担が大きくなる場所です。
金属の中でも腐食に強い銅などが使われることが多いですが、それでも傷んでしまうこともあります。

谷樋に落ち葉やほこりがつまってしまい、水があふれてしまうと雨漏りにつながります。
特定の場所に水滴が落ちやすいときは、水滴の衝撃が積み重なると金属に穴をあけてしまいます。

施工不良

特に屋根と外壁の取り合い部など、違う部材が交わる場所は、施工不良が起きやすくなります。
屋根は屋根の職人が、外壁は外壁の職人が工事をするため、仕様どおりの施工がされないと、うまく防水機能が働かなくなってしまうのです。

金属屋根は金属特有の施工技術がないと正しく施工できないため、経験不足や知識不足による施工不良も発生します。
たとえば、緩い傾斜でも施工できる縦葺きと、傾斜が必要な横葺きの違いを知らずに施工してしまうケースがあるでしょう。
傾斜が足りないと、雨水の逆流が発生して雨漏りを引き起こしてしまいます。

金属屋根の修理方法

部分的な補修の場合

隙間や穴あきが原因で雨漏りしている場合には、コーキング材を使って補修する方法があります。
雨漏り修理では、変性シリコンやシリコンコークが使われることが多いです。

変性シリコンは、耐久性が高く上から塗装をすることもできます。
シリコンコークは耐水性が高く、常に水に触れているような場所に適しています。
金属屋根の場合は、温度が高くなりやすいため、熱に強いコーキング材が適しているでしょう。

部分的な補修は自分で補修することも可能ですが、複数の原因から雨漏りしているケースも多く、応急処置としておく方が無難です。
余裕のある時に、専門の業者に見てもらうとようにしてください。

研磨や塗装でのサビ補修では補えない場合や、大きな穴が開いてしまっている場合、一部分のみを張り替える選択肢があります。
瓦棒葺きと呼ばれる施工方法の屋根の場合は、比較的簡単に部分交換が可能です。

一方で、波板タイプではやや手間がかかります。
横葺き屋根では屋根材1枚のサイズが大きい場合もあり、足場代なども考慮すると部分交換より葺き替えの方が適している場合もあります。

全体的な補修 - 塗装

全体的に色が褪せてきている場合や、サビがところどころに見られる場合は塗装をします。
金属は基本的に水に弱い性質なので、塗装をしてコーティングして水の刺激に耐えられるようにします。

また、金属は熱を通しやすいため、遮熱効果の高い塗料を使うと家の中に伝わる熱を減らす効果も期待できます。
塗装は紫外線の影響を受け劣化し、効果がなくなっていくため、特別な不具合がなくても定期的に再塗装が必要です。

塗装工事は、足場を組むところから始めます。
次に、下地の調整をし、サビやめくれをメンテナンスします。
そのあと高圧洗浄機で洗浄し、塗料がつきやすい状態にします。

塗装は通常は3回重ね塗りを行いますが、屋根の状態や塗料の種類によっても異なります。
塗る度に乾燥する時間が必要なため、工期は10日~2週間程度はみておいてください。

全体的な補修 - 葺き替え

葺き替えとは、屋根を撤去し新しい屋根へ交換する工事です。
補修では修理できないほど屋根の傷みが激しい場合や、屋根の寿命がきている場合には、屋根を葺き替えて一新します。
また、屋根表面だけでなく下地の防水シートや野地板の傷みが激しい場合にも、下地の交換をしなくてはならないため、葺き替えとなります。

住宅の耐荷重を考えると、金属屋根で施工されていた住宅には、新しい屋根も金属屋根にする方がよいでしょう。
葺き替えは大規模な工事となるため、工期が長く費用もかかります。

全体的な補修 - カバー工法

雨漏りを早期に発見することができ、下地への影響がない場合には、カバー工法(重ね葺き)を行うこともできます。
金属屋根は30年程度が耐用年数と言われていますので、経過した年数によってはカバー工法で屋根を新しくする方がよい場合があります。

カバー工法を採用する場合、金属屋根で施工されている住宅には、新しく重ねる屋根も軽量な屋根でなくてはなりません。
そのため、一般的には金属屋根を重ね葺きします。
カバー工法は、葺き替えをする場合と比べ、撤去作業が無い分工期も費用も抑えられるメリットがあります。

金属屋根の雨漏り修理に適した業者

写真:作業をする職人

雨漏りの修理では、きちんと直らないと再び雨漏りをしてしまう心配があります。
工事後の補償をつけてもらえる業者もありますので、心配な方は検討してみるとよいでしょう。

雨漏りの修理を依頼する場合に、候補となる業者には次のものがあります。

板金業者、屋根工事業者

金属屋根の場合、修理、補修、葺き直しを依頼するには、金属屋根を専門に扱う板金業者がまず候補となるでしょう。
葺き替えやカバー工法を選択するとなった場合も、金属屋根を葺くことになる可能性が高いため、やはり板金業者が適しています。

板金を専門としない屋根工事業者でも、金属屋根の取り扱いが可能な場合があります。
金属屋根の施工実績が多い業者なら、安心して朱里を任せることができるでしょう。

塗装業者

雨漏り修理が比較的容易で、塗装をメインに考えている場合には、塗装業者という選択肢もあります。
塗装業者なら、雨漏りの補修と同時に外壁塗装を行うことも可能です。

塗装業者でも、塗装の前には下地処理として補修も行いますので、軽度な補修であれば対応できるでしょう。

雨漏り修理専門業者

「雨漏り修理をしても再発してしまう」「板金業者に見てもらったが原因がわからない」というような場合には、雨漏り修理を専門にしている業者に依頼する方法もあります。
雨漏り専門業者では赤外線カメラのような専門的なツールで調査を行う業者もあるので、深刻な雨漏りの際には検討してみるとよいでしょう。

ハウスメーカー、工務店、リフォーム会社

ほとんどのハウスメーカー、工務店、リフォーム会社では、金属屋根の施工は下請けに発注することになります。
仲介料などが上乗せされ、費用は高くなる場合がほとんどです。

新築時のサービスとしてメンテナンスが含まれている場合や、家全体のアドバイザーとして長年お付き合いをしていきたいような場合には、相談してみるのもよいでしょう。
また、築10年未満で雨漏りが起きてしまった場合には、施工会社の責任となる場合もありますので、新築時のハウスメーカーや工務店に相談してみましょう。

修理費用の目安

一般的な30坪程度の住宅の場合の、費用の目安です。
足場代については、別途必要になります。

・部分的な補修の場合
コーキング処理 1~3万円程度
屋根材の部分交換 10,000円/㎡程度
棟板金の交換 5,000円/m程度
谷板金の交換 5,000円/m程度

全体的な補修 - 塗装 2,000~4,000円/㎡程度
全体的な補修 - 葺き替え 10,000~16,000円/㎡程度
全体的な補修 - カバー工法 5,000~11,000円/㎡程度

適正価格を知るためには、できるだけ数社からの見積もりをとって判断するとよいでしょう。
訪問業者がきて「雨漏りしていますよ」と言われて、高額な修理費を要求するような場合もあるので気を付けてください。

塗装で済む範囲なのか、葺き替えが必要か、費用にも影響するので迷う場合もあるかもしれません。
ただ、住宅全体の寿命とのバランスも考慮して、長期的なプランを立てて検討するとよいですね。

また、雨漏りの原因が台風や大雪などの風災によるものだった場合には、火災保険が適用できる可能性があります。
保険の種類で適用範囲が異なりますので、住宅にかけられている火災保険の内容を確認してみましょう。

築浅で、施工不良による雨漏りが疑われる場合には、住宅の瑕疵担保保険が、適用できるかもしれません。
建築時のハウスメーカー、工務店に相談してみるとよいでしょう。
自治体によっては、屋根修理に補助金を出しているところもあります。お住まいの自治体の補助金をチェックしてみましょう。

雨漏りや外壁塗装のことなら辻塗装にお任せください

屋根はメンテナンスが必要な場所で、できるだけ早期に不具合を発見できれば、長持ちさせることができます。
金属屋根の場合には、メンテナンスをしないと、錆びたり、穴が開いてしまったりして、雨漏りを引き起こしてしまいます。
特に台風や強風の後には、チェックをするとよいですね。

もし、屋根の劣化や外壁の劣化にお悩みなら、私たち辻塗装が力になります。
住宅だけでなく、学校などの公共施設の塗装も手掛ける私達なら、確かな技術力で最適なメンテナンスをご提案できます。
どんな些細なお悩みでも親身に相談に乗りますので、お気軽にご連絡ください。


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