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雨漏りの原因は?劣化だけでなく屋根勾配にも関係があり!

屋根の寿命は、20~25年といわれます。
「なんでうちの家が雨漏りに…」誰でもそのような経験はしたくないですね。

雨漏りが発生すると、とにかく原因を究明しなければいけませんが、雨漏りの原因は屋根材の劣化などだけではありません。
意外な盲点で、屋根につけられた勾配が引き金となっていることもあります。
屋根の形や使われる屋根材により勾配も違いますが、うまく条件が噛み合っていないと雨漏りの原因になってしまう事もあるのです。

今回は、屋根の勾配と雨漏りについてご紹介していきますので、一度ご自宅の屋根も合わせてご確認ください。

目次

考えられる雨漏りの原因は?

雨漏りの原因には、さまざまなことが考えられます。

  • 経年劣化
  • 台風・大雨・強風などの自然災害
  • 屋根材のズレやひび割れ・浮き
  • 釘の緩みによる隙間から入ってきた雨水
  • 樋の詰まり
  • 漆喰の剥がれ
  • 外壁のひび割れ
  • 施工不良
  • 屋根の勾配

上記以外にも、調べればもっとはっきりとした原因が分かるでしょう。
そして、最後に記した「屋根の勾配」は、以外と雨漏りの原因になっていることが多いのです。

屋根の勾配の大きな役割とは?

「屋根の勾配=傾斜」のことを表しており、角度が大きくなるほど急勾配の屋根です。
見た目にも三角の形をした屋根か、ゆるやかな形をした屋根かでお分かりになりますね。
この勾配は、見た目だけの為に適当な大きさで作っているのではなく、屋根に直接降りかかる雨や雪・風をうまく処理する為に傾いているのです。

しかし、一概にみんな同じ勾配でいいわけではありません。
なぜなら、勾配のきつい屋根にした場合、雨はすぐに流れ落ちるだけで済みますが、これが雪となると屋根に積もった雪が一気に滑り落ちるかもしれないといった危険を伴います。
もし下に人がいれば、大事故を起こす可能性も考えられるからです。

このような理由から、地域の気象条件なども考慮しながら、気候や風土にあった勾配がつけられています。

勾配の表記と意味

次に、勾配の大きさはどのようにして記されているかご紹介します。
表記の仕方は、以下の3種類です。

  • 寸法勾配=◯寸表記
  • 分数勾配
  • 角度勾配

たとえば、3寸勾配ならこのように表記されます。

例 ① :
3寸(寸法勾配)
3/10(分数勾配)
16.7°(角度勾配)

例 ② : 設計図に書かれた屋根部分の図。
これで屋根の勾配を表しています。これも3寸勾配を表しています。

「3寸勾配」と言われても、いまひとつ理解するのが難しいですよね。
この図の見方は、水平距離を10として、それに対する屋根面の勾配を見たときに高さが3となる。
これで3寸勾配と読みときます。

それを「◯寸」と表記するか、分数で表すか、角度で表すかの違いです。
数字が大きくなるほど急勾配、逆に小さくなればなだらかな緩勾配(かんこうばい)の屋根となります。

勾配の種類は3つ

屋根の勾配には、大きさによって3つの種類があります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、使用できる屋根材やデザインなどにも違いがあります。
長い目で見て、後に行うメンテナンスへの影響なども考えながら決められると良いですね。

急勾配(きゅうこうばい)

6寸勾配以上になると、急勾配に分類されます。
三角屋根なら空に向かってとんがった形に近くなり、雨水が流れやすくなるため雨漏りの心配はほとんどありません。
屋根に水が溜まることもなく、防水性はとても優れています。

しかし、屋根面積が広いために、横風を直接受けてしまう弱点があります。
また、メンテナンスを行う際には、高さがあるので足場が絶対に必要となります。
これは、工事費用が高くなるということにもなりますね。

それでもデザインにこだわりたいなら、幅広くから選べる急勾配が一番です。
屋根裏にもスペースができるため、シーズンオフの物や物置として利用することもできます。

並勾配(なみこうばい)

一般的な家屋は、並勾配で3~5寸勾配です。
どんな屋根材でも利用でき、デザインも選ぶことができます。
さらに雨漏りもしにくく、メンテナンスでも足場が必要ない場合もあるので費用が少なくてすみます。

全てにおいて、これといったデメリットがありません。
重いと言われている瓦も、並勾配なら向いています。

緩勾配(かんこうばい)

名前の通りゆるやかな勾配で、3寸以下の勾配を緩勾配といいます。
どちらかといえば、緩勾配にはデメリットとなる要素が多いようです。

  • 使える屋根材が限定され、金属系は○、瓦は×。
  • 雨水がたまりやすく、雨漏りの原因になる。

逆に風を受けることがあまりなく、耐風性には優れています。
メンテナンスでも足場は必要ないため費用は最小限で済むメリットもあるのです。

オススメ勾配は4寸

3つの勾配の中で一番のオススメは並勾配、特に4寸です。
その理由は「使える屋根材・デザインの希望が取り入れやすい」、といった最大のメリットがあるからです。
4寸勾配には、以下のようなメリットがあります。

  • 雨漏りがしにくい勾配
  • どんな屋根材にも向いている(使える)。
  • メンテナンスが足場無しでも行える。

4寸勾配は、雨が留まらない傾斜のため、雨漏りしにくく長持ちで劣化しにくい瓦も使用できます。
また、建物にも優しくコストパフォーマンスも良いとされる勾配です。
建てて満足ではなく、後々までメンテナンスもしっかり行って、長く大切にできるマイホーム造りのご参考にしてみてください。

屋根材によっても勾配は変わる

実は、使用される屋根材は勾配により変わってきます。
それぞれ屋根材には最も適した勾配というのがあり、その範囲で屋根材が持っている特長を最大に発揮することができます。
逆に限界を超えた勾配で使用すると、危険も伴い雨漏りや劣化の原因になってしまうことがあります。
勾配と屋根材は、条件を合わせて使用することが大切と言えます。

金属

屋根材に金属を使用するのは、勾配がゆるやかな場合、平坦でほとんど勾配がないなどの場合です。
1寸以上3寸以下となっていますが、5分でも使用できます。

金属屋根のおすすめは、ガルバリウム鋼板です。
薄くて軽いため、耐震性がかなり高くなります。
水はけもよいため、耐久性にも優れており、加工もしやすいと評判です。

これだけの利点がありながら価格も手頃で、カラーも豊富です。
ただ施工できる業者が少ないために、施工費用が高くなってしまいがちになることがデメリットです。

スレート

スレートは、3寸以上~4.5寸で使用できます。
これ以上の勾配で使用すると、雨漏りの原因となることが多くなります。

スレートの主成分はセメントのため、軽くて耐震性があり低価格、多くのカラーが揃っているため外壁にも合う色が選べると人気です。
現在では家屋の約8割はスレート屋根といわれるほど一般的に使用されています。

しかし、割れやすく防水性はあまり期待できません。
そのためカビやコケが生える可能性も高くなるため、定期的な点検と補修が必要となる屋根材です。

瓦屋根

瓦屋根は、4寸が最低勾配となります。
その理由は、瓦に厚みがあるため重ねていくうちに、屋根の勾配よりも瓦の勾配が緩やかになってしまうからです。
あまりになだらかだと、屋根に降った雨水が流れ落ちず溜まってしまいます。
たまった雨水で瓦も傷み、雨漏りの原因になりかねません。

しかし、4寸以上の勾配があるなら瓦は最高の屋根材となります。
瓦の良さは耐久性が高く、塗り直しもほとんど必要ないことです。

断熱性にも優れていて、カラーバリエーションも豊富なため、カラフルな色から日本家屋が持つ独特な落ち着きの色まで揃っています。

また4寸なら足場も不要な場合が多いのでコストを抑えられ、安心してメンテナンスを受けることができるでしょう。

屋根勾配を変えるリフォームはできる?

「雨漏り対策のため、屋根勾配を変えるリフォームがしたい」「年数も経ってきたし新しい屋根材を使いたい」「とにかく屋根のリフォームができるのか知りたい」そんな悩みがあるかもしれません。
そこでここからは、屋根勾配を変えるリフォームについて紹介しましょう。

屋根によって方法は違うが勾配は変えられます

結論から言うと、屋根勾配を変えるリフォームもできます。
屋根の形状や使用されている屋根材によりますが、

  • 二重屋根
  • 屋根解体

の2つの方法があります。

二重屋根(カバー工法)

「二重屋根」は、「カバー工法」とも呼ばれます。
この方法は、現状の屋根がまだしっかりとしている状態でないとできません。
屋根の上に新しい屋根を重ねて造ることになるため、土台の屋根自体が丈夫でないと支えきれなくなってしまうからです。

また、二重屋根(カバー工法)はスレート屋根や金属屋根では行えますが、瓦(日本瓦・洋瓦・セメント瓦)屋根では凹凸があるため行えません。

メリット

二重屋根にすることで防水効果が高まり、屋根と屋根の間に空間ができることから遮熱効果も高くなります。
遮音性にも優れ、2014年以前の屋根ならアスベスト対策にもなるのです。
工事期間も短く済ませる事ができ、「屋根解体」に比べると費用がかなり抑えられるといったことがあげられます。

デメリット

二重屋根は屋根自体が重いため、耐震は弱くなってしまいます。
また、メンテナンスや修理も難しく、解体の際は費用が高くなる可能性が高いです。

屋根解体

「屋根解体」は大がかりな工事となり、今ある屋根を解体して小屋組みと呼ぶ基礎から屋根を造り直します。
「二重屋根」と違い「屋根解体」は撤去費用がかかるため、工事全体の費用が高くなってしまうのです。

さらには、2014年以前に造られた屋根には、アスベストが使用されていることが考えられます。
アスベストを撤去となると撤去費用が加算されてしまうため、コスト的な負担が大きくなってしまうのです。

「勾配を変える目的のリフォームが、ここまで大きな工事になってしまうとは…」と後悔しないためにもメリット・デメリットはよく確認しておくことをおすすめします。

メリット

屋根の形状や勾配を、条件内なら好きなデザインにできます。
家を建ててから経過年数がそれなりにあるなら、建物全体をリフォームするより屋根のリフォームだけのほうがコストを抑えられます。
屋根材も安価でありながら丈夫なものに変えることができるので、建物自体の寿命を伸ばすことにつながりますね。

デメリット

好きな屋根の形に変えられるといっても、屋根の高さや広さなどがその土地で制限されていないか確認が必要です。
もし新しい屋根のデザインが制限を超えてしまっていたら、また設計からやり直さなければいけなくなります。
また、屋根の勾配が変わると屋根の広さと形も変わるため固定資産税が高くなるかもしれません。

信頼できる業者選びは必須!

屋根のリフォームを行うときに重要なことは、信頼できる業者を選ぶことです。
どれだけ費用が安く、工期も短くて済むと言われても、それだけで決めると大変危険なことになります。

それぞれ屋根のリフォームには、それぞれにメリット・デメリットがあります。
屋根の状態をよく調査し、一番良い方法を伝えてくれる業者を選ぶようにしなくてはなりません。

そのためには、数社から見積りを取ることを強くおすすめします。
工事方法と費用、詳細をしっかりと把握できる内容を比較し、一番納得のいくものを選択してください。
工事費用は、決して安いものではありません。
後悔しないためにも時間をかけてしっかりと見極めることが大切です。

屋根のリフォームに助成金が活用できるかも

もし屋根のリフォームを行うことが決まったら、助成金が利用できるかもしれません。
条件は自治体によって多少の違いがありますが、ほとんどは同じような条件があげられています。

  1. 工事着工前に申請する
  2. 新しい屋根にはエコ素材(遮熱・断熱)を使用する
  3. 税金をきちんと納めている

これに加えて必要な書類の提出や、自治体が定めた業者に工事依頼するなどの条件が加わる場合もありますが、細かいことや気になることは業者に尋ねてみるとよいでしょう。
助成金は、必ず利用できるとは限りません。
年度ごとに予算が組まれているため限りがあります。また期限がありますので、忘れないように確認してください。

屋根のメンテナンスも辻塗装にお任せください

雨漏りの原因には、屋根の勾配にも関わりがあることをご紹介いたしました。
3つある勾配の中でも、並勾配となる4寸がデメリットもほとんどなくオススメの勾配と言えます。
勾配によっては使える屋根材やスタイル、その後のメンテナンスなどにも違いがあるため、建築する場所の気象条件なども合わせ決められるのが良いでしょう。

もし、屋根で気になる事があるのなら、私達辻塗装までご相談ください。
屋根も、塗装などにより定期的にメンテナンスしていれば、雨漏りを未然に防ぐことは十分可能です。
経験豊富な職人が、あなたのお宅の屋根の状態をきちんと診断いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせくださいね。


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