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全ての外壁に塗装は必要?外壁材ごとに必要なメンテナンスを解説

建物の外壁は、内部の基礎や居住空間を風雨から守る重要な役割を担っています。
また、住宅の見た目を居住者の好みのものにし、美しい外観を保つ役割も担います。
この二つの役割を果たすために、外壁材は様々な種類を取り揃えています。

外壁材が劣化してしまわないように、外壁塗装などでメンテナンスをすることは重要です。
ただ、外壁材の種類によって必要なメンテナンスは異なります。
外壁材にあったメンテナンスを実施しなければ、費用が無駄になってしまうかもしれません。

そこでここでは、外壁材の種類とその特徴や、外壁材の種類に応じたメンテナンス方法を紹介していきます。
外壁のメンテナンスをご検討中なら、まずはご自宅がどの種類の外壁材でできているか確認してみてください。

目次

外壁材の種類と特徴

外壁材の種類を大きく分類すると、7つに分けることができます。
まずは、7種類の外壁材の特徴を詳しく紹介していきます。

窯業系サイディング

窯業系サイディングとは、セメントと繊維質を原料に作られた外壁材です。
セメントが原料のため、防火性が高く軽量なので住宅の基礎に負担がかからないことが特徴です。
また、工場で製造される外壁材なので、非常に様々なデザインを実現できる特徴があります。

現在最も多くの住宅に使われている外壁材で、約8割程度の住宅は窯業系サイディングの外壁とされています。
パネル状の外壁材を現場で張り付けるだけなので、施工が簡単なこと、コストパフォーマンスが良く住宅の値段を抑えられること、バリエーションが豊富なことなどの要因で広く普及しました。
建売の新築を購入した場合や、住宅購入時に特に外壁材を指定していない場合は、窯業系サイディングの外壁が採用されていることがほとんどです。

セメントと繊維質が原料のため、防水機能は持ち合わせていません。
そこで、表面に塗装を施すことで、水分の浸透を防いでいます。

パネル状の外壁材を張り付けていくことから、繋ぎ目に隙間が生じてしまいます。
繋ぎ目にはコーキングを施すことで、雨水が内部に浸入することを防ぎます。

モルタル

モルタルは、セメントと水、細骨材を混ぜ合わせた外壁材です。
パネル状の外壁材でなく、現場で左官職人が直接塗ることにより外壁を形成します。
左官で仕上げることから、希望通りのデザインを実現できる特徴があります。

窯業系サイディングが登場する前は、モルタルの外壁が日本において主流でした。
そのため、築年数が古い住宅はモルタルで外壁が作られている可能性が高いです。
また、昔ながらの日本家屋の場合も、モルタルで外壁が作られているかもしれません。

モルタルもセメントが主原料のため、防水機能が無いことが弱点です。
そのためモルタルの外壁も、塗装により雨水などの浸透を防いでいます。
また、モルタルは温度変化や湿度の変化により膨張と収縮を繰り返すため、非常にひび割れが起こりやすい素材です。

窯業系サイディングなどと異なり、継ぎ目の無い外壁が実現できます。
そのため、シーリングの劣化などに気を配る必要は無くなります。

金属系サイディング

金属系サイディングは、名前の通り金属でできた外壁材です。
外壁材としては、ガルバリウム鋼板という素材が多く使われます。
ガルバリウム鋼板とは、鉄をアルミと亜鉛の合金でメッキしたものです。

数ある外壁材の中でも非常に軽量で、耐震性に優れています。
また、その軽量さを活かして、カバー工法にもよく使われています。

金属でできているため、防火性能も非常に高いです。
また、水分を内部に通さないため、防水性も非常に高いと言えます。
防水性が高いことから、水分が外壁材の中で凍ってしまう「凍害」を防ぐことができるため、寒い地域では特に利用される外壁材です。

金属は水分を通しませんが、錆びによる劣化に気を配る必要があります。
金属系サイディングの錆びは、塗装により防止するのが一般的です。
金属に直接水分が触れないようにすることで、長期間にわたり錆びを防ぐことができます

また、金属なので変形にも気を付けなければなりません。
物がぶつかったりすると変形してしまうので、台風直後などは全体を確認した方が良いでしょう。

木質系サイディング

木質系サイディングは、木材を原料とした外壁材です。
木材の質感を最大限活かした外壁材で、温もりのある外観を実現することができます。
また、木材の持つ調湿作用や調温作用により、室内を快適に保つこともできます。

木材がそのまま使われることから、雨水による腐食には注意が必要です。
初めは塗装により防水性を持たせていますが、徐々に効果が無くなり腐食の恐れが一気に増してしまいます。
美しい外観を保つためには、こまめなメンテナンスが必要な外壁材です。

また、木材が原料であることから、防火対策にも注意が必要です。
最近では不燃処理を施した木質系サイディングもありますが、それでも窯業系サイディングなどの防火性能には劣ります。
消防法で指定された防火地域の場合、使用できないケースもあり注意が必要です。

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは、塩化ビニルが原料の外壁材です。
非常に軽量な外壁材で、耐久性にも優れています。
また、顔料を塩化ビニルに練り込んで色を付けており、塗装の必要がありません。
さらに、継ぎ目ができない工法で施工されるのでコーキングも不要です。

塩化ビニル樹脂が主な原料で、耐火性は低いといえます。
塗装などによる不燃処理も難しいので、防火対策には注意してください。

日本ではほとんど使われていないことも、デメリットとして挙げられます。
施工できる業者が少ないので、メンテナンスの際は業者を探すのが大変かもしれません。
ただし、北米では50%ほどのシェアを誇るので、今後日本でも普及する可能性はあります。

タイル

タイルは、粘土を板状に焼き固めた外壁材です。
1枚1枚外壁に張り付けていくことで、強固な外壁を形成します。

タイルは紫外線や雨による劣化がほとんどないため、耐久性が非常に優れています。
粘土が原料で燃えることもないため、耐火性も非常に高いです。

タイル自体が高額なことと、施工にも手間がかかることから、外壁を作る費用は高額になります。
また、外壁がタイルにより重くなるため、耐震性にも影響が出る可能性があります。
タイルの重さに耐えられる基礎を作ると、それで費用が上乗せされるため、住宅を建てる費用がさらに高額になる可能性もあります

ALCパネル

ALCパネルは、軽量気泡コンクリートでできた外壁材です。
軽量気泡コンクリートは、ケイ素や石灰、アルミニウム粉末が主成分となります。
水に浮くほど軽量で、建物の基礎に負担をかけません。

石灰やケイ素が主成分のため、耐火性と断熱性が非常に高いです。
軽量なことから耐震性にも優れており、地震の多い日本でも安心できる外壁材と言えるでしょう。

ALCパネルが軽量な理由は、内部に多くの気孔があるためです。
ただ、気孔がたくさんあるために、防水性能は無いに等しいです。
そのため、塗装により防水機能を持たせています。

外壁材の種類ごとに必要なメンテナンス

外壁材は、種類ごとに特徴が異なります。
これは、必要なメンテナンスも異なってくるということです。
そこでここからは、外壁材ごとに必要となるメンテナンスを紹介していきましょう。

窯業系サイディングのメンテナンス

窯業系サイディングでまず必要となるのは、塗装によるメンテナンスです。
外壁の表面にチョーキングが見られる、塗装が色あせている、塗膜がひび割れている等の症状が見られたら、塗装を検討してください。
塗装が剥がれているようなことがあれば、早急な塗装が必要になります。

また、サイディングの繋ぎ目に施すコーキングも、塗装と同じく劣化していきます。
コーキングがひび割れたり、隙間ができていたりするようなら、コーキングを打ち替える必要があります。
コーキングは塗装の下にあるため、塗装のタイミングでメンテナンスを実施するとよいでしょう。

もし、窯業系サイディング本体が割れたり反ったりしているようなら、塗装でのメンテナンスには限界があります。
この場合、サイディングの張り替えが必要になってくるでしょう。
このような状況にならないよう、早めに塗装でメンテナンスしてあげることが重要になります。

モルタルのメンテナンス

モルタルで最も気になる劣化症状は、ひび割れです。
幅が0.3mm以下の細かなひび割れなら、急いで補修する必要はありません。
しかし、それ以上の大きなひび割れが見られるようなら、内部に雨水が浸入するおそれがあるため、早めの補修が必要になります。

ひび割れの補修は、コーキングを施すことで施工されます。
ひび割れの周囲に溝を作り、そこをコーキングで埋めることで雨水の浸入を防ぎます。
上から塗装を施すため、コーキングにより外観が悪くなることはありません。

また、モルタルの表面に施された塗装も、徐々に劣化していきます。
こちらも、チョーキングや塗装の割れ、剥がれなどが見られるようでしたら再塗装を検討してください。

ちなみにモルタルでできた外壁は、吹き付け工法により塗装されます。
スタッコやリシンといった質感の異なった塗膜に仕上げることができるので、お好みの見た目に変身させることができます。

金属系サイディングのメンテナンス

金属系サイディングのメンテナンスは、基本的に塗装になります。
塗装により錆びを防いでいるので、塗膜が劣化してしまう前に塗り替える必要があるのです。
表面にチョーキングが見られる、色褪せている、塗膜が浮いているなどが、劣化の兆候を見分けるサインになります。

また、金属系サイディングの場合、錆びを防ぐために定期的に水洗いすると効果的です。
鳥の糞やコケなどの汚れは水分をため込むので、そこから錆びてしまうリスクが高くなってしまいます。

汚れを落とし清潔な状態を保てば、窯業系サイディングなどと比べてメンテナンスの回数は少なくて済みます。
また、塗装の必要のない種類の金属系サイディングもありますので、一度プロの塗装業者に見てもらうとよいでしょう。

木質系サイディングのメンテナンス

木質系サイディングは、こまめなメンテナンスが不可欠な外壁材です。
塗膜が劣化して木材に雨水が浸透すると、腐食する原因になってしまいます。

木質系サイディングのメンテナンスも、塗装が基本となります。
木質系サイディングの場合、クリア塗装されていることも多く、この場合チョーキング現象はみられません。
塗膜の劣化は見た目では分からない可能性もあるため、5年以上経過しているなら早めに塗装業者にチェックしてもらう事をオススメします。

塗装のメンテナンスが遅れて木材にダメージが出た場合、張り替えるしかメンテナンスの方法が無くなります。
多くの費用がかかることになるので、早めに塗装する方が賢明です。

樹脂系サイディングのメンテナンス

樹脂系サイディングは、塗装もコーキングも施されていません。
そのため、再塗装などのメンテナンスは基本的に不要になります。
ほぼメンテナンスの必要がない、耐久性の高い外壁材なのです。

劣化してしまった場合は、張り替えるしかありません。
ただ、部分的に張り替えることができるため、費用を抑えることは可能です。

タイルのメンテナンス

タイルも、非常に耐久性の高い外壁材です。
塗装も施されていないため、再塗装のメンテナンスも必要ありません。

タイルの外壁で気を付けたいのは、目地の劣化です。
特に古いタイプのタイル外壁は、モルタルが目地に使用されており、ひび割れが生じる可能性があります。
目地から雨水が浸入すると、タイルが浮いたり基礎が劣化したりするので早急なメンテナンスが必要です。
タイル外壁のメンテナンスは、コーキングの打ち替えとモルタルの補修がメインになります。

ALCパネルのメンテナンス

ALCパネルのメンテナンスは、基本的に窯業系サイディングと同様です。
塗膜やコーキングに劣化症状が見られたら、再塗装やコーキングの打ち替えが必要になります。

ALCを再塗装する場合、ALCに適した下塗り材を使用しなければなりません。
ALCに適合しない下塗り材を使用すると、施工不良の原因となります。
経験豊富な塗装業者にメンテナンスを依頼すれば、適合しない塗料を使用される心配はありません。

外壁塗装のメンテナンスは辻塗装にお任せください

外壁材にも様々な種類があり、必要なメンテナンスも異なります。
適切なメンテナンスを施さないと、費用が無駄になるだけでなく、劣化を防ぐことができずに大きな不具合に発展する可能性があります。
ご自身で判断が難しいようなら、プロの業者に見てもらうといいでしょう。

もし、福岡で外壁のメンテナンスをお考えなら、私達辻塗装までご相談ください。
辻塗装は40年の実績を持つ、経験豊富な塗装専門店です。
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