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木部の特徴に合わせた塗装の方法とは?適した塗料も合わせて紹介

写真:刷毛と木材

木材が外装に使われている箇所は、外壁本体などと比べても非常に傷みやすいといえます。
木材は天然素材のため、塗装などで保護しなくては雨や細菌の影響で、すぐに腐ったりカビが生えたりしてしまうのです。

さらに、木材を保護するために施している塗装も、通常の外壁に比べ劣化しやすくなります。
そのため木材でできている部分は、外壁塗装以上にメンテナンスには気を使う必要があるでしょう。

ここでは、外壁塗装より気をつけたい一軒家の外装の木部塗装について、詳しく紹介していこうと思います。

目次

木材塗装の特徴

木部塗装に通常の外壁塗装よりも注意しなければならない理由は、木材特有の特徴があるからです。
木材の特徴を理解していれば、塗装の際に注意すべきことやメンテナンスの必要性も理解できると思います。

そこでまずは、木材の特徴を詳しく紹介していきたいと思います。

湿度によって膨張、収縮を繰り返す

木材は、調湿作用を持っています。
これは、湿度が高いと湿気を吸い込み、湿度が下がると湿気を吐き出す作用のことです。
この作用があるからこそ、水分過多による腐食や乾燥によるひび割れをある程度防ぐことができます。

ただし、湿気を吸い込んだり吐き出したりするわけですから、それに伴い木材自身も膨張と収縮を繰り返します
そのため、塗装がどうしても剥がれたりひび割れたりしやすくなるのです。

腐食に弱い

木材は天然素材なので、バクテリアや細菌の影響で腐食していきます。
もちろん腐食防止の対策は施されていますが、それでもセメントやモルタルのような人工物と比べると、腐食に対して弱い材料と言えるのです。

さらに、腐食防止の塗料や薬剤も、時間の経過と共にどんどん効果が薄れてきます。
だからこそ、定期的に塗装を塗り替え、しっかりとガードしてあげることが木材では非常に重要なことなのです。
適切なメンテナンスを実施していれば、長期に渡り腐食を防ぐことは難しくありません。

木目を活かした外観が作れる

天然素材である木材の最大の魅力は、それぞれ表情が異なる木目でしょう。
最近では家の外観にもこだわりを持つ方が増えてきているので、個性的な家を作る上でも木材は活躍しています。

それから、木材の持つぬくもりのある質感は、日本人の心を癒す効果があります
自宅はあなたが休むところですから、癒しの雰囲気を作るには木材が最適というわけです。

木部塗装の施工例はこちら

一軒家の外装で木材が使われている箇所

住宅で木材が使われているのは、内部の骨格だけではありません。
ウッドデッキやドア、瓦屋根の木部など、外から見える部分にも意外とたくさん木材は使用されています。
一軒家の場合なら、木材がどこにも露出していないというケースは珍しいと言えるでしょう。
そのため、ほぼ全てのお宅で定期的な木部のメンテナンスが必要となります。

それから、ぬくもりのある家というイメージを形にするため、外壁材そのものに木材を使用しているケースもあります。
このような外壁は、サイディングのような建材に比べかなり劣化が激しいので注意しなくてはいけません。
サイディングのような外壁と比べると塗装の持ちも悪く、短いスパンで塗り替えを実施する必要があります。

木部塗装で注意すべきポイント

木材は、人工の建材と比べ独特の特徴を持つため、同じように塗装したのでは不具合が生じてしまいます。
木部には、塗装する上で特有の注意点があるのです。
この注意点を知っていなければ、塗装を実施しても失敗するおそれがあります。

木部塗装を実施する前に、まずは特有の注意点をチェックしておいてください。
以下のポイントを押さえておけば、木部塗装で失敗する心配はなくなります。

ひび割れへの対策が必要

木材は膨張と収縮を繰り返すため、塗装にひび割れが入りやすいという弱点があります。
これこそ、木部塗装が長持ちしない最大の原因なのです。

ただ、木材に調湿作用がある限り、膨張と収縮を抑えることはできません。
そのため、ひび割れに強い塗料を選択することが不可欠となります。

それでも通常のサイディングと比べれば、ひび割れや剥がれを防ぐことは難しいと言えます。
しかし、塗装がひび割れたり剥がれたりしてしまえば、木材が雨水や紫外線の影響を直接受けることになるでしょう。
こうなると木材はすぐに腐食してしまうので、劣化に合わせた素早いメンテナンスが重要になるのです。

下地処理が最も重要

木部への塗装には、サイディングなどへの塗装と比べ非常にはがれやすいという弱点があります。
そのため、しっかりと塗料を密着させるための下地処理が、サイディングなどに比べると非常に重要になってきます。

それから、外壁材に木材を採用しているケースでは、木目を活かすためにクリア塗装を施していることも多いです。
このクリア塗料は、塗り替えの際はきちんと落として塗装を行わないと、塗装の密着性が悪くなるおそれがあります。
塗りムラの原因ともなりますので、しっかりと古いクリア塗料を落とす下地処理が、木材部分ではとても重要なのです。

さらに、古い塗膜を落とした後のケレン処理にも気を抜くことができません。
木部も表面に凹凸がある状態では塗料の密着が悪いので、ケレン処理が不十分だとすぐに塗装が剥がれる原因となってしまいます。

日光の当たり具合で劣化の程度が異なる

木材の部分は特に、日光の当たり具合により劣化の進行が大きく異なります。
紫外線の影響が大きな南側や西側は、影響がそこまで大きくない北側に比べてより早く劣化していきます。

そのため、劣化の激しい南側や西側に面している木部には、より強度が高くなるよう塗装を施す必要があります。
木材は天然素材のため、塗装によるガードがなくなるとかなりのスピードで腐食が進みます。

そのため、塗装の劣化にはいち早く対応しなくてはならないのです。
つまり、メンテナンスの周期がそれなりに早いということになります。

日の当たり具合による塗装の劣化の差まで計算できて塗装していれば、一度に全ての箇所がメンテナンスできます。
メンテナンス回数を減らすことができれば、それだけコストの削減にもつながるので、施行技術の高い塗装業者に依頼することが木部塗装でも大切ということです。

業者が変わると塗装方法が異なる

木部塗装を業者に依頼すると、ひび割れに強いウレタン塗料を提案されることもあれば、耐久性の高いシリコン塗料を提案されることもあります。
これは、どちらかが間違っているというわけではなく、お客様のことを考えて提案が異なっているケースがあります。
木材はひび割れが発生しやすいので、伸縮性が高くひび割れに強いウレタン塗料を提案することは理にかなっています。

ただ、ウレタン塗料はシリコン塗料に比べ耐久性が低いので、塗り替えの頻度が増えてしまうのです。

一方、シリコン塗料の場合、耐久性が高いので足場などの諸経費を節約できます。
その代わり、シリコン塗料は塗膜が硬いため、途中でひび割れてしまう危険が高まるのです。
このように、業者によって考え方やノウハウ異なるケースが多いので、ある程度の知識を備えご自身で判断する必要があると言えるでしょう。

木材部分も3回塗りが基本

外壁塗装は3回塗りが基本とされていますが、木部塗装にも同じことがいえます。
基本的には、3回塗り重ねて強度を出していくことが不可欠です。

ただし、紫外線の影響が大きい南面の塗装では、3回塗りでも強度が不足するケースも考えられます。
このようなケースでは、4回以上の重ね塗りを行うことで、十分な塗装強度を確保しなければなりません。

また、日当たりがあまり良くない立地の場合なら、北面の塗装が思ったよりも長持ちするケースも考えられます。
このようなケースの場合は、北面の塗装回数を減らすという処置も検討しなければなりません。

最も理想的と言えるのは、異なる日当たりでも塗装が同じ状態をキープしている状態です。
これを実現するには、日当たりまで計算して最適な塗装回数を導き出した上で、施行することが不可欠なのです。
そうすることで、全ての外装に使われている木材を一度にメンテナンスできるようになります。

さらに、木材本体の劣化具合により最適な塗装回数が異なります
木材が激しく劣化していると、健在が塗料を吸収する量が増え、塗装回数を増やす対応が求められるのです。
木部の状態を見極めて、最適な塗装回数を導き出す経験と技術力が、木部塗装ではより重要となります。

木部塗装に適した塗料とは?

木部はサイディングの外壁とは性質が異なるため、求められる塗料の機能も当然異なります。
木材は傷みやすく繊細なので、高機能な塗料を使ってしっかりと保護するようにしてください。

まず天然素材である木材は、カビや腐食、害虫に非常に弱いです。
そのため、防虫効果、防カビ効果、防腐効果の高い塗料を選択することが必須条件と言えるでしょう。

また、木材は湿気を吸いこんだり吐き出したりするため、常に呼吸をしている状態と言えます。
そのため、呼吸を妨げない塗料が、木部用の塗料には求められるのです。

塗装の劣化が早い木部では、外壁以上に高い耐久力を持つ塗料を使うことが理想的と言えます。
逆に問題となるのは、外壁よりグレードの低い塗料を木部に使用してしまうことです。
ただでさえ木部は劣化が激しいので、外壁よりグレードの低い塗料では、先に木部の塗装がダメになることは目に見えています。
外壁の塗装時期までに木部を何度もメンテナンスすることなり、結果としてコストパフォーマンスが非常に悪くなってしまうおそれがあるのです。

また、木材特有の質感を活かしたいという方も多く、それが実現できる塗料も存在しています。
クリアの膜を形成して木目の見た目を維持するだけでなく、木材の質感をそのまま維持することができる塗料もあるので採用を検討してみてください。

木部用の塗料の種類

木部用の塗料は、大きく分けると浸透タイプと造膜タイプに分かれます。
それぞれにメリットデメリットがあるので、よく特長を理解した上で適したタイプを選択するようにしてください。

浸透タイプの塗料

浸透タイプの塗料は、保護成分を染み込ませることで木材を守ります。
表面に塗膜ができないため、木材が持つぬくもりのある質感をそのまま活かすことができます
もちろん木目も維持できるため、木材の良さを最大限体感することができるでしょう。
また、そもそも塗膜がないので、ひび割れたり剥がれたりして見た目が悪くなる心配もありません。

デメリットとしては、塗膜を作らないため耐久性が弱いことが挙げられます。
塗膜で雨を弾くことができないため、塗料の持つ保護効果がどんどん失われていくのです。
環境にもよりますが、3年以内には塗り替えが必要になるので、非常に手間のかかる塗料といえます。
ただ、塗料自体の扱いは簡単なので、手の届く範囲ならDIYで比較的容易に塗り替えることは可能です。

それから、木材の持つ質感が維持されるので、劣化している部分があったとしても塗装で隠すことができません。
塗り替えても建材そのままの見た目になってしまうため、劣化が激しい場合は造膜タイプの塗料を選択した方が無難と言えます。

浸造膜タイプの塗料

造膜タイプの塗料は、表面に塗膜を作り木材を守ります。
表面に形成された塗膜が水や汚れをはじくので、浸透タイプの塗料に比べ耐久性が高いです。
環境によっては6年程度持つため、浸透タイプの2倍程度も長持ちすることになります。
ただし、施行不良を起こすと耐久力が著しく下がるため、DIYで塗り替えることはあまりオススメできません。

デメリットとしては、建材の表面を塗膜が覆ってしまうため、木目や木材の質感を活かすことが難しくなります。
せっかく建材に木材を採用したとしても、見た目や質感が楽しめないなら管理が面倒になるだけでしょう。
ただその分、劣化して見た目が悪くなった部分を隠すこともできます。

また、木材が膨張と収縮を繰り返すことから、塗膜がひび割れやすいという弱点があります。
塗膜がひび割れるとそこから雨水が侵入してしまうため、一気に耐久力がなくなってしまうのです。
ひび割れの発生しやすさは、塗料に含まれる樹脂の種類によって異なります。
なるべくひび割れに強いということが、木部塗装の塗料には求められます。

木部塗装のことも辻塗装にご相談ください!!

手の届く範囲の木部の塗装は、比較的簡単にDIYでも塗り直しができるように思えます。
しかし、素人の塗装ではどうしても長持ちしないため、頻繁に塗りなおしが必要なことは頭に入れておかなくてはなりません。
メンテナンスをおこたると、木材が腐食して建物がダメージを受けることも考えられます。
劣化の状態によっては塗り重ねるだけではダメな場合もあるので、プロにお願いした方が無難といえるでしょう。

もし、より長持ちする木部塗装を実現したいのなら、私たちに相談してください。
私たちなら、36年で培ってきた技術を活用し、長持ちする木部塗装を実現することができます。

木部塗装の施工実績はこちら

外壁塗装と合わせて実施すれば、工賃を安く抑えることもできるでしょう。
塗装のことなら何でも相談に乗りますので、お気軽にご相談ください。


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