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ALC外壁の弱点を塗装で克服するには?具体的な特徴もあわせてご紹介

ALC外壁

ALCは割りと古くからありますが、今でも主力の外壁材として使用されています。
外壁に求められる機能を高いレベルで実現しているため、廃れることなく生き残っているのです。

ただ、コストが少し高いため、安価な窯業系サイディングが現在では主流となっています。
軽量で頑丈という特徴をもつALCは、マンションや工場の外壁や床にもよく使われています。
もちろん一般的な戸建て住宅にも使われており、耐久性の高さから採用を検討する方も増えてきているようです。

ここでは、そんなALC外壁の基本的な知識を紹介していきましょう。
ぜひ、外壁のリフォームや新築の参考にしてみてください。

目次

  • ALC外壁とは?

    ALC外壁は、軽量気泡コンクリートで作られた外壁のことを指します。
    コンクリートというと重厚なイメージを持ちがちですが、気泡を多く含むため軽石のような見た目です。

    また、気泡を多く含むおかげで、非常に軽量な建材に仕上がっています。
    外壁材としては、工場で製造されたALCパネルを建材として使用します。
    工場で均一に製造されているため、普通のコンクリートのように、現場の職人によりムラが出ることもありません。

    また、サイディングボードと同じくパネル型の建材のため、施工も非常に簡単です。
    基本的にはパネルを貼り付けて、つなぎ目をシーリングで埋めれば完成するので工期も短くて済みます。

    最も有名なALCパネルは、旭化成が製造販売しているヘーベルボードでしょう。
    ヘーベルハウスに採用されているため、ALCパネルの代名詞的な存在になっていますね。
    もちろんALCパネルはヘーベルボードだけではなく、シポレックスやクリオンといった種類が販売されています。

    ALC外壁のメリット

    ALCパネルは、外壁材として非常に優れた機能を兼ね備えています。
    高層ビルやショッピングセンターにも採用されていることからも、その性能の高さが伺えますね。
    外壁にALCを採用すれば、次のようなメリットを受けることができるでしょう。

    耐久性が非常に高く長持ちする

    ALCの主な原料はコンクリートなので、非常に耐久性が高い外壁材となっています。
    適切なメンテナンスを施していれば、50年は取り換える必要がないと言われています。
    窯業系サイディングの寿命が30~40年程度ですので、より長持ちすることが分かりますね。

    建て替えにかかる費用を考えれば、できるだけ長持ちする家の方がコスト的にも有利と言えます。
    特に最近では「長く住める家」に注目が集まっているので、ALCの住宅は今後増えてくるかもしれません。

    断熱性が高く快適な室内を実現

    ALCは、大量の気泡を含んでいます。
    この気泡が空気の層となり、熱が伝わることを邪魔するので、非常に高い断熱性能を発揮してくれるのです。
    断熱性の高い住宅は、夏に涼しく冬に温かい室内環境を実現してくれます。
    ALCなら年中快適な室内を実現できるので、日々の生活をより豊かにしてくれることでしょう。

    また、エアコンにより調節した室温を外に逃がさないため、電気代の節約にも一役買ってくれるでしょう。
    近年ではエコも叫ばれているので、ALCは時代にあった外壁材ということができます。

    設計の自由度が高い

    ALCパネルは、サイディングボードに比べて小さめに作られています。
    一般的なサイズを比べると、サイディングが横幅910~1000mmであることに対し、ALCパネルは幅600mmが標準サイズです。

    また、ALCパネルには、幅300mm程度の小さなタイプも存在しています。
    3分の1程度の横幅の建材があるため、実現できる形状の自由度が高まります。
    より細かに家のサイズを調節できる点も、大きなメリットと言えますね。

    ただし、パネルの量が増える分つなぎ目も増えてしまいます。
    パネルのつなぎ目は不具合の原因となる可能性が高いため、シーリングの劣化には十分注意してメンテナンスを怠らないようにしてください。

    耐火性に優れている

    ALCパネルは、主にコンクリートを原料として作られています。
    コンクリートは燃えることがありませんから、ALCパネルも必然的に耐火性に優れる建材に仕上がることになりますね。
    耐火性の高さは折り紙つきで、国土交通大臣から耐火構造材の認定も受けています。

    外壁にALCを採用しておけば、近隣の家が火事になったとしても、燃え移るリスクを低くすることが可能です。
    万が一のときに住む人を守ってくれる建材なので、採用すれば安心して暮らすことができるでしょう。

    地震に強い

    ALCは非常に軽量な建材のため、地震に強いというメリットがあります。
    建物の重量が増せば、それだけ揺れによるエネルギーが大きくなるので、耐震性という面では軽い住宅の方が有利になるのです。

    また、非常に軽いというメリットは、建物本体への負担を軽減する役割も担っています。
    建物本体への負担が少ないと、それだけ長持ちさせることができるので、結果として建物全体の耐久性も高まります。

    ALC外壁の弱点

    ALC外壁の最大の弱点は、気泡を多く含むため水分が非常に染み込みやすいという点です。
    外壁には、雨から建物の構造部分を守るという大きな役割があります。 水が染み込んでしまっては、この役割を果たすことができません。
    そこでALCパネルでは、表面塗装によって必要な防水性能を確保しています。

    しかし、塗装は徐々に劣化していくものなので、メンテナンスを少しでもおこたると、外壁本体に水が染み込み不具合につながってしまうでしょう。
    つまり、ALC外壁にとって塗装は非常に重要な役割を持つことになります。

    また、ALCパネルはサイズが小さいため、つなぎ目の数が必然的に多くなります。
    つなぎ目が増えれば、そこから水漏れするリスクが高くなってしまいます。
    このように、ALC外壁にとって、雨水は天敵と言っても過言ではありません。
    この雨水の浸入をいかに防ぐかが、ALC外壁にとっては非常に重要な課題といえるでしょう。

    ALC外壁の弱点を克服するには?

    雨に濡れた家

    ALC外壁には、水分に弱いという大きな弱点があります。
    しかしこの弱点は、表面に施す塗装屋やシーリングにより完全に克服することが可能です。
    雨水の浸入さえ防ぐことができれば、ALCは外壁として素晴らしい性能を発揮してくれます。

    ALC外壁の耐久性の高さを活かすためには、適切なメンテナンスが不可欠となります。
    適切なメンテナンスを実施するためにも、以下で紹介する注意点は必ず守るようにしてください。

    塗装の劣化は放置すると命取り

    ALC外壁は、表面に施す塗装によって防水性能を確保しています。
    そのため、塗装が劣化して機能を十分に果たせなくなると、たちまち弱点が露呈してしまうことになるのです。

    だからこそ、塗装の劣化には敏感に対応する必要があるといえます。
    塗装の劣化症状としては、チョーキングやクラッキング、塗膜の膨れなどが挙げられます。
    塗膜にクラックや剥がれが発生してしまうと、そこから水分が浸入する恐れがあるので、できればそれまでにはメンテナンスを実施したいところです。

    まず劣化の症状として初めにあらわれるのは、塗装の色あせやツヤ引けです。
    そのため、塗装の色が変わってきたと感じたら、こまめに塗装の状態をチェックしていった方がいいでしょう。
    塗装の変色の次は、チョーキングと呼ばれるチョークのような白い粉が表面に発生する現象が見られます。
    劣化が進行するごとに粉の量が多くなっていくので、チョーキングがひどくなってきたら塗り替えを検討するようにしてください。

    さらに劣化が進行するとクラックや剥がれが生じてしまい、ALC外壁に雨水が浸入する事態になってしまいます。
    このような事態になる前に、再塗装を実施し防水性能を維持する必要があるでしょう。

    シーリングの劣化には特に注意

    外壁のつなぎ目に施すシーリングも、時間の経過と共に劣化していきます。
    初めはゴムのような伸縮性のある素材なのですが、紫外線や風雨の影響を受け徐々に硬くなっていってしまうのです。
    硬くなったシーリングは、最終的に割れてクラックを発生させます。

    クラックが発生するとそこから雨水が浸入してしまうため、ALC外壁にとっては好ましい状況といえなくなるのです。
    シーリングの劣化の症状としては、クラックが最もわかりやすいでしょう。 クラックを放置すると雨水が浸入してしまうので、早めの対処が必要です。
    シーリングのクラックは、メンテナンス後10年を経過したあたりから見られるようになります。

    そのため、10年前後を目安に目視で確認して、適宜メンテナンスを実施するようにしてください。
    シーリングのメンテナンスには、古いシーリングを取り除いた上で新しいシーリングを施工する打ち替えと、古いシーリングの上から新しいシーリング材を注入する打ち増しの2種類があります。
    シーリングの状態により適切な方法は異なりますので、一度プロに相談してベストな方法を選択してもらうようにしてください。

    透湿性の高い塗料を選択する

    塗装やシーリングで防水性能を高めていても、100%雨水に浸入を防ぐことは難しいでしょう。
    水分はどんなに小さな隙間からでも浸入してしまうので、完全に防ぐことは不可能に近いことといえるのです。

    ただ、僅かな水分ならすぐに乾燥するので、悪影響を及ぼす可能性は非常に低いといえます。
    ALCは水分がしみこみやすい分乾燥も早いので、僅かな水分なら浸入することに問題はありません。

    ただし、ALC外壁の表面は塗膜で保護されているので、内部の水分の逃げ場が必要です。
    そこで、透湿性の高い塗料を選択しておいた方が無難と言えるでしょう。
    透湿性の高い塗膜なら、内部に浸入した水分が水蒸気となったさい、問題なく表面から放出されていきます。
    防水性能の面だけを考えるなら、伸縮性の高い塗膜を形成し、ひび割れを起こさない弾性塗料のほうが有利にも思えます。

    しかし、少しでも水分が浸入してしまえば、水分が外に逃げることができず膨れを発生する原因となってしまいます。
    こうなると、そこから塗膜が剥がれていってしまい塗り替えが必要な事態に発展してしまうので、弾性塗料の使用はあまりオススメできません。

    ALC外壁の塗装も辻塗装にお任せください

    ALCの弱点は、外壁塗装とシーリングの補修でカバーすることが可能です。
    この弱点さえ克服できれば、非常に優れた外壁材としてあなたの暮らしを守ってくれるでしょう。
    そのため、定期的なメンテナンスが不可欠な外壁材ともいえます。

    ALC外壁の塗装でご質問があれば、何でも私たち辻塗装にお問い合わせください。
    36年間地域の皆様にお世話になっている辻塗装なら、ALCの外壁の劣化症状を見極め、最適なメンテナンス時期をお伝えできます。
    筑紫野市と太宰府市の回覧板にも掲載されていますので、見かけたらお気軽にお声かけくださいね。


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