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外壁塗装や屋根塗装に費用はいくらかかる?工事内容の見積もり紹介

写真:工事内容の見積り

外壁や屋根の塗装を検討している人で、塗装工事の費用相場が気になっている人も多いのではないでしょうか。
初めての補修工事では、どのくらいの年数で塗り替えればいいのか、どの程度の補修をすればよいのか、工事の内容や期間など不安ばかりですね。
塗装工事は専門的な分野なので、難しくて聞きなれない言葉に圧倒されてしまう方も多いのが現状です。

しかし、外壁塗装や屋根塗装についての基本的な知識を持っていれば、難しいことはありません。
納得のいく適切な補修工事をすることで、住まいの寿命をしっかりと伸ばすことができます。

今回は、塗装費用の相場や、見積内容の見方、実際の工事の工程についてご説明しましょう。

目次

  • 屋根や外壁の塗装の費用相場

    一般的な2階建て住宅(塗り面積200㎡程度)の外壁塗装の費用相場は、80~150万円と言われています。
    費用に約2倍の幅があることから、外壁塗装の相場の判断がいかに難しいかが分かります。

    この価格差の開きは、塗料のグレードによる値段差や、外壁塗装の塗膜の劣化の度合いによる作業内容の違いなどからきています。

    屋根や外壁の塗装塗料の種類

    外壁塗装は、塗料の種類やグレードによって耐久性が大きく異なり、それに伴って値段も変わってきます。
    一般的に、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素の順で耐久性と値段が高くなっていき、アクリルは劣化が早いため、住宅にはあまり使用されていません。

    さらに耐久性のある塗料に、セラミックなどを成分とする「無機塗料」というものがあり、業者に勧められることもあるかもしれません。
    無機塗料は耐久年数が15年程もあり、耐候性、耐火性に優れていますが、値段が通常の2倍ほど高くなります。
    そのため、現在では一般に、ウレタンかシリコンの塗料を選択することが多いようです。

    屋根や外壁の塗装内容

    塗料の適性は、添付する外壁素材や、すでに塗布されている塗料の劣化状態によっても違ってきます。
    塗膜の劣化の進行度合いや、コケ・藻・黒カビの発生具合などで、作業の内容も異なってきます。

    また、近年の住宅は、工場で生産されたサイディングボードを組み立ててつくられるため、そのつなぎ目の目地の劣化があります。
    目地のシーリングに使われている「コーキング」と呼ばれる部分が、ヒビ割れて剥離している場合、コーキングの「打ち直し」という補修が必要です。

    コーキングの劣化でサイディングボードが浮き上がり、外壁内部に雨水が浸入している場合は、内壁から補修が必要なこともあります。
    サイディングボードを貼り替える場合は、塗装工時は必要なくなりますが、外壁のリフォームにかかる建材と施工費が発生します。

    屋根・外壁塗装の費用の内訳

    外壁塗装にかかる適切な費用を知るために、まずは外壁塗装にはどのような作業が発生するかを把握しましょう。

    外壁塗装には、塗料・人件費・足場を組む費用が必要で、一般には、塗料が20%、人件費30%、足場代20%、その他30%の構成とされています。

    屋根・外壁塗料の価格と耐用年数

    塗料は、一缶あたりの単価と耐久年数を考慮に入れながら、屋根や外壁の用途に合わせてそれぞれ選びます。
    屋根・外壁の塗料の価格と耐久年数は以下の通りです。

    塗料の種類 費用/1缶 屋根 外壁
    アクリル 5,000~15,000円   不向き 約3~7年 
     ウレタン 5,000~20,000円  約3~5年  約8~10年 
     シリコン  15,000~40,000円 約5~7年   約10~15年
    フッ素  40,000~100,000円  約7~10年  約12~15年 
     無機 50,000~120,000円  約10~15年  約14~20年 

     

    これはあくまで、屋根と外壁の耐久年数の違いの目安で、塗料メーカーの違いなどにより値段や性能は変動的です。

    しかし、単価と耐久年数は比例するため、安い塗料を使用すればそれだけ耐久年数は短くなり、次の塗り替えまでの期間は短くなります。
    価格は高くても耐久年数の長い塗料を選べば、一時的には費用がかかっても、長いスパンで見れば得になることもあります。

    また、塗料には1液型と混合タイプの2液型があり、それぞれ価格や性能が異なります。
    屋根と外壁のそれぞれの塗料選びで、耐久年数から塗り替え時期を合わせることで、足場を組む一度の工事で、建物全体の補修が可能になります。

    人件費(工事代)

    外壁塗装における工事代は、塗装職人に対して発生する人件費です。
    塗装には「飛散防止ネット」「高圧洗浄」「養生」などの作業も必要で、また、「軒下」などは、付帯塗装工事として別途費用が発生します。

    [工事代(人件費)の相場価格]

    工事項目 費用/㎡ 工事項目 費用/㎡
    飛散防止ネット 100~200円  軒天(のきした) 800~1,200円 
    高圧洗浄 100~300円 雨樋(雨どい) 800~1,200円 
    養生(防止カバー) 250~400円 破風板(はふいた)  650~1,200円
     コーキング打ち増し  5,00~1,000円/m 雨戸 2,00~5,000円/枚
    コーキング打ち替え 9,00~1,500円/m    

     

    見積書に付帯塗装工事が正しく含まれているかは、大切なチェック項目です。
    ちなみに、屋根構造では、先端部分の「雨樋」がつく部分は「鼻隠し」、つかない部分は「破風」、破風と壁までの部分は「ケラバ」と呼ばれています。
    また、「破風板(はふいた)」とは、屋根の下に吹きこむ風を防ぐために、屋根の先端に取り付けられている板のことです。

    工事費用には、この他にも、「現場管理費」(30,000~50,000円)や、「廃材処理費」(10,000~30,000円)などが発生します。

    足場代

    足場代とは、職人が外壁塗装する際に使用する足場を設置する費用で、「足場架け掃い」などの項目として費用計上されています。

    足場は建物の外壁から少し離れた場所に設置するため、家の外周に8mを足して、高さをかけて面積を出します。

    足場の架面積 = [建物の外周 + 8m] × 高さ

    さらに、足場に飛散防止ネットを掛ける作業が行われます。
    足場を組むには国家資格を持つ、足場組立て作業主任者の監督が必要なため、施工業者が専門業者に依頼することも多いようです。
    また、足場を組む人件費の他に、足場の材料を運ぶ運搬費も発生します。

    よく、「足場代を無料にします」と言う施工業者の営業がいますが、足場代は補修工事で必ず発生する費用であることを認識しておいてください。

    外壁・屋根塗装の見積もりで注意すべきポイント

    外壁塗装の見積もりには、数多くの専門用語が書かれています。
    しかし、初めて補修工事を依頼する際に、見積もりの専門用語がわからないまま、外壁塗装や屋根塗装を依頼してしまうことも多いのが現状です。

    見積書で分からない項目

    例えば、見積もりでよく目にする「パーフェクトサーフ」、「タスペーサー」、「トップコート」などは、初めて聞く業界用語ですね。
    分からない項目はその場で質問したり、ネット検索したりして言葉の意味を確認し、工事内容を明確にしましょう。

    【パーフェクトサーフ】
    「パーフェクトサーフ」とは、外壁のサイディングボードの塗り替え時の下地となる塗料です。
    藻やカビを防ぐ効果があり、弾性があってしっかりと表面を覆うため、濃い色から薄い色へ塗り替える場合に、綺麗な色が出るという特徴があります。

    【タスペーサー】
    タスペーサーとは、屋根の縁切り(えんきり)に使う小型部品で、屋根材の重なり部分に挟んで、持ち上げた状態に固定するために使います。
    屋根材の重なり部分には、雨水を排出するための隙間が必要で、塗料でふさいでしまうと、雨水が屋根材の裏側に溜まり、腐食して雨漏りの原因となるからです。

    【トップコート】
    トップコートとは、塗装の表面に塗るコーティング材で、仕上がった塗膜の保護やツヤ出しをします。
    主に、紫外線の影響を和らげるために、屋上やベランダ塗装の表面仕上げに行われます。

    このような、見積書でわからない言葉があれば施工業者に質問し、不要な工事が含まれていないか、必要な箇所が抜けていないかを事前にチェックしましょう。

    見積書の表記で注目すべき点

    塗料メーカー名と商品名

    塗料には多くの種類がありますが、成分内容がはっきりしないことが多いため、信頼できるメーカーの塗料かを確認することが大切です。
    例えば、シリコン樹脂塗料では、シリコンの含有量が法律で規定されていないため、含有量の少ないシリコン樹脂塗料では、期待する耐久年数が実現できません。

    「㎡」の表記

    塗料や足場費用の見積もりでは、作業面積が計算の基礎となり、正しい金額を算出するためには、必ず必要となってくる単位です。
    塗料の見積額が、㎡に基づいて計算されていない場合は、きちんとした費用計算が行われていないことも考えられます。

    塗料の缶数

    塗料は、表示の耐久年数を実現するには、各メーカーにより定められている塗布量を守る必要があります。
    見積書の塗料の量に、缶数が表記されていない場合は、適切な量の塗料が使用されないことも予想されるため、何缶使用するのかを確認しましょう。

    優良な施工業者の見極め方

    写真:塗装業者

    ポイント1:詳細な見積もりを出す

    「足場一式」や、「軒天取り替え工事一式」「目地打ち替え、打ち増し一式」などの「一式」の表記や、「諸経費」が多い見積もりは、内容を明確にしましょう。
    詳細が明記されていなかったために、含まれていると思った、雨樋や雨戸などの補修がされておらず、工事後にトラブルになるケースもあります。

    ポイント2:調査をしっかりと行う

    見積り作成にあたり、実際に外壁チェックや、屋根裏、屋根上に登って確認しない施工業者は要注意です。
    営業マンの対応だけで、実際に住まいを診断せずに見積もりを出してくる業者には、注意しましょう。

    ポイント3:大幅な値引きがない

    最初から「値引き」項目のある見積もりを出す業者は、塗料の質を落としたり、量を減らしたりして帳尻を合わせている可能性があるため要注意です。
    軒下やシーリングなど、補修で大切な箇所の手抜きが行われることもありますので、「値引き理由」は必ず確認しましょう。

    外壁塗装・屋根塗装の工程

    実際に、屋根と外壁の塗装はどのような工程で行われるのか、作業内容を事前に知ることが大切です。

    外壁・屋根塗装の主な工程

    塗装工事は、塗装面積や補修内容、天候にも左右されますが、通常12日前後は必要となってきます。

    工程1 足場と飛散防止ネットの設置
    工程2 高圧洗浄・バイオ洗浄で、劣化した建材に付着する、藻・苔・カビを除去
    工程3 塗装面以外に塗料が付着しないよう、車や植木、サッシなどを保護シートで覆う養生作業
    工程4 シーリング切れした目地に「コーキング打ち増し」「コーキング打ち替え」などをして、下地処理を行う
    工程5 「下塗り」「中塗り」「上塗り」と3回にわたり、それぞれ適切な塗料を塗る
    工程6 足場の解体と片付け

     

    塗装工事には足場の設置が必要で、そのための手間や費用が、外壁塗装では大きな割合を占めています。
    そのため、一度の補修工事で、できるだけ広い範囲をしっかりと補修しておくことが、長期的に見るとコストカットにつながります。

    外壁塗装の補修工事で重要なポイント

    新しく塗布する塗料を建材に密着させるには、劣化した塗膜を除去し、付着した藻・コケ・カビ・汚染物質を綺麗に洗い流すことが必要です。
    また、近年の住宅は塗り壁でなく、ボードを貼り付ける外壁が主流で、つなぎ目のシーリング材の劣化が、雨水の侵入と外壁内部の腐食の原因となります。

    ボードの塗装膜をいくら完璧にしても、シーリング材のコーキングが破断・剥離していれば、建物の老朽化を防ぐことはできないため重要な補修項目です。
    塗装が完成したら、足場を解体する前に、施工業者と一緒に、塗り残しや補修忘れがないかをチェックすることも大切なポイントといえます。

    塗装作業の下塗り・中塗り・上塗り

    塗料の種類にもよりますが、塗装作業は通常同じ場所を、下塗り・中塗り・上塗りと、3回塗る作業が行われます。

    下塗りの不要な塗料もありますが、外壁材に塗料が密着するように、3回にわたりそれぞれ異なる塗料を塗って、耐久性を高めるのが一般的です。
    上塗りは、中塗りの塗料が乾いてから塗装しますが、完全に乾くには時間がかかるため、同日に塗装することはほぼ不可能でしょう。

    中塗りと上塗りで同じ塗料が使われることが多いですが、色を大きく変えるときは、違った色を中塗りに使って、上塗りの色が綺麗に映えるようにします。
    また、中塗りに上塗りと少し違う色を使い、わざと塗り残しが目立つようにして、塗り残しのないよう完璧に塗装を仕上げる方法もよくとられます。

    屋根の塗装も辻塗装にお任せください

    外壁塗装や屋根の塗装の費用は、塗装面の劣化の度合いや、使用する塗料の値段で大きく異なってきます。
    また、依頼する業者によっても見積価格は異なり、相場はあってないようなものです。

    しかし、どの業者に依頼しても、足場を組む費用や、施工日数、人件費、塗料の値段など、作業内容は基本的に同じになります。
    よほど高価な塗料を使用しない限り、相場より大きく上回っている場合は、見積内容の確認が必要です。

    反対に、非常に安い見積もりが出た場合は、手抜き工事や塗料のグレードダウンが懸念されるため、見積価格の詳細や値引き内容を確認しましょう。
    業者に依頼する前に、まず、「同じ塗料でも外壁と屋根では耐久年数が異なる」「外壁のシーリング劣化の補修も大切」などの塗装の基礎知識を身につけてください。

    もし、外壁塗装をご検討中なら、私たち辻塗装が力になります。
    私たちは、目視や打診調査により的確な下地処理を選定しますので、質のよい外壁塗装を確実にご提供できます。

    もちろん屋根の塗装も、同時にお任せいただけます。
    屋根の塗装は、外壁塗装と同時に実施するとコストカットにつながります。
    あなたが最も得をするご提案を数パターン用意しますので、お気軽にお問い合わせください。


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