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屋根の素材で塗装も変わる?最も適したメンテナンス方法とは?

屋根には、建物を守る大切な役割があります。
もし屋根に不具合が起きてしまうと、建物の構造体に重大な影響を及ぼしかねません。
屋根がしっかり機能するためには、定期的なメンテナンスが重要です。

屋根のメンテナンスについて気にかかってはいるものの、「いつが最適な時期なのか?」「どのような状態になったら塗装をしたらよいのか?」など、よくわからないことも多いでしょう。
屋根の素材にはいくつか種類があり、素材によって劣化のサインや塗装のタイミングが違ってきます。
そこで、屋根に使われている素材について知識を付け、適切なメンテナンスをできるようにしてください。

目次

屋根材の種類

屋根と一口にいっても、素材は多様です。
よく知られているものとしては、日本古来の日本瓦、現在主流の化粧スレート、トタン屋根が挙げられます。
では、それぞれどんな特徴があるか詳しくみていきましょう。

スレート

スレートには主に、化粧スレートと天然スレートがあります。
とは言え、日本で使用されているものは大半が化粧スレートで、繊維にセメントを浸み込ませて固めた素材です。
「コロニアル」「カラーベスト」などの商品名でも知られています。

安価でコストパフォーマンスが高く、軽量で耐震性に優れています。
施工が容易なため、金属屋根や瓦屋根の専門業者もスレート屋根を扱っていることが多いです。
現在の新築の戸建ての多くは、化粧スレートが採用されています。

化粧スレートは、強度をあげるために以前はアスベストが含有されていました。
しかし、2006年頃からアスベストの規制が強化され、現在の化粧スレートにはアスベストは使用されていません。
2006年以前の化粧スレート屋根の修理、解体を行う際にはアスベストの取り扱いに気を付ける必要があります。

ノンアスベストに切り替えが進んだ際に、初期の商品は強度不足のために不具合が起きているという報告もあります。
強度不足の屋根のメンテナンスは、慎重に行わなくてはならないため注意が必要です。

天然スレートは鉱石を使ったスレートで、主にヨーロッパの大型建築で使われています。
化粧スレートに比べ、重量があり高価なため、日本では一般の家屋に使われることはほとんどありません。

戦後はスレート屋根などの新しい屋根材のシェアが伸びてきましたが、日本古来の瓦屋根もまだ半数近くの住宅に使われています。
瓦は立体的な形状になっており、他の屋根材と比べると通気性がよく、下地が傷みにくいメリットがあります。
そのため、湿度が高い日本の気候に合った屋根材と言えるでしょう。

デメリットとしては重量があり、地震の際に破損や落下の危険が増すこと、屋根の重みで家に負荷がかかることが挙げられます。
そこで近年では、デメリットを解消するために軽量な瓦が開発されつつあります。

瓦の素材には二種類あり、粘土で作られた昔ながらの日本瓦と、セメントを原料としたセメント瓦があります。
近年では、安価で品質が均一なセメント瓦が普及してきています。

トタン

トタン屋根は、金属屋根の一種です。
薄い鋼板に、亜鉛をメッキして作られています。
安価で軽量であることから、戦後の高度経済成長期に広く普及しました。

トタン屋根はサビやすいことが難点で、サビに強いガルバリウム鋼板屋根が開発された後は、需要が徐々に減ってきています。
現状では、新築戸建てでトタン屋根を採用することはほとんどありません。

ガルバリウム鋼板

トタンにアルミニウムを加えて、サビにくく改良されたものがガルバリウム鋼板です。
トタン屋根と比べて、3~6倍の耐久性があると言われています。

縦葺きと横葺きがあり、デザインが多彩なことから人気がある屋根材です。
軽量で耐震性が高いことが、メリットに挙げられます。
カバー工法で屋根を重ね葺きする際には、軽量な金属屋根が適しています。

アスファルトシングル

アスファルトシングルは、防水紙と屋根材が一体化した建材で、防水紙の上に石粒が吹付けられています。
主に、アメリカで普及している屋根材です。

とても軽量で、スレート屋根と比較しても約半分の重量です。
吹付けられた石粒は退色しづらく、吸音効果もあります。
デメリットとしては、日本での施工事例が少なく、扱っている業者が少ないことや、日本の気候で使用した際のデータが少ないことが挙げられます。

屋根材ごとの劣化のサイン

どのような兆候がでてきたら、メンテナンスを検討すればよいのでしょうか。
適切なメンテナンスを実施するために、屋根材ごとに劣化のサインを知っておくとよいでしょう。

スレート

スレートの表面に、ひび割れや浮きが発生していたら劣化のサインです。
スレートは塗装が剥がれてくると水を弾きにくくなり、雨水を含んで膨張します。
雨で膨張し、乾いて収縮するということを繰り返すうちに、ひび割れや浮きが発生します。
さらに悪化すると、スレートの一部が欠けることもあります。

また、色が褪せたりコケが生えたりしている場合は、塗装が古くなって機能を果たせなくなっていると考えられます。
塗料は紫外線に弱く、長年日に当たっているうちに色が褪せてきてしまいます。
塗膜が剥がれてくると、コケが生えやすくなります。

さらに、スレートとスレートのつなぎ目にはコーキングが使用されており、経年劣化でコーキングにひび割れが発生してきます。
ひどくなると雨漏りの原因となるので、コーキングの打ち増しや打ち直しを行ってください。

瓦は、強風や瓦の自重でずれることがあります。
突風による飛来物当たって、割れることも考えられるでしょう。
見た目でチェックをして、ズレや割れがあれば補修を行ってください。

棟部にある棟瓦がゆがんでいる場合や、のし瓦がずれていたら、屋根土が減ってきていることが考えられます。
こちらも劣化のサインなので、早めに対処することをオススメします。

セメント瓦の場合には塗装がされていますが、紫外線や雨水の影響で塗装は年々劣化していきます。
スレート同様、色褪せやコケが見られたり、ひび割れが発生したりしていたら劣化のサインです。

トタン、ガルバリウム鋼板

金属屋根はサビが大敵で、サビが起きるといずれ穴が開いてしまい雨漏りの原因となります。
そのため、サビには要注意です。
トタンやガルバリウム鋼板はとても薄く、物が当たるなどしてへこみが生じる場合もあります。
へこんだ部分には水が溜まりやすく、サビやすくなってしまうため、すぐに補修した方がよいでしょう。

経年劣化や風圧で、屋根を固定している部分や金属同士のつなぎ目が緩んでくることがあります。
屋根に剥がれや浮きがないか、チェックしてください。

金属屋根は水に弱い性質なので、塗装をしてコーティングしています。
色褪せが見られたら塗装が劣化しているため、再塗装が必要になります。

アスファルトシングル

アスファルトシングルは柔らかい素材のため、浮きや剥がれが起きやすいです。
放置するとひどくなってしまうため、早めの対処が必要です。

アスファルトシングルは、表面に吹付けられている石粒が経年で剥離していきます。
石粒が剥がれて下地のフェルト紙が露出してしまうと、雨水が浸入してしまいます。
石粒の剥がれが見られたら、補修を検討しましょう。

必要なメンテナンスと耐用年数

劣化のサインが見られた際には、どのようなメンテナンスをすればよいのでしょうか。
また、大きな劣化が無い場合は、どの程度のサイクルでメンテナンスをすればよいのでしょうか。
素材ごとに詳しくみてみましょう。

スレート

大きな不具合がなければ、10年に一度を目安に塗装を行います。
塗装の際には、高圧洗浄で全体の汚れを落とします。
破損している個所が見つかれば、補修を行ってから塗装します。
スレートのつなぎ目に使われているコーキングも、剥がして打ち直してもらいましょう。

スレート屋根の耐用年数は、30~40年とされています。
日当たりなどの環境によっても劣化の進行度合いが異なりますが、補修をしても性能を維持できなくなってしまったら、張り替えや重ね張りを検討します。

瓦は1枚1枚が独立していて、修理が必要になった際も一部分のみの交換が可能です。
日本瓦は瓦自体に防水性があり、定期的なメンテナンスは不要です。
とは言え、瓦の割れやズレがないかのチェックは、定期的に行った方がよいでしょう。

セメント瓦は防水性がないため、塗装をして防水性を持たせる必要があります。
塗装は経年劣化するため、10年に一度程度塗装をし直す必要があります。
耐用年数は、日本瓦50年、セメント瓦30年が目安です。

トタン、ガルバリウム

金属屋根も、10年に一度程度、塗装をして防水性を保つようにします。
塗装の際にサビが見られる場合には、ケレンやサビ止めの処置を行います。
屋根の頂上部分にある棟板金は、風雨の刺激を受けやすい場所で破損しやすいため、15年程度で交換をします。

トタン屋根の耐用年数は20年、ガルバリウム鋼板の耐用年数は30年程度が目安です。
補修しきれないほど屋根の傷みが激しい場合には、屋根を葺き替えます。
下地の状態が良ければ、カバー工法という選択肢もあります。

アスファルトシングル

石粒が剥がれ落ちる心配がある場合には、塗装をして保護することもできます。
剥がれがみられる部分は、接着してから塗装を行います。

屋根材ごとの塗装費用

塗装を行う場合の費用は、使用する塗料によって単価が大きく変わります。
また、塗料代は屋根の面積に比例するため、屋根の面積が広くなるほど費用がかかります。
目安としては、以下の金額を参考にしてください。

  • スレート・・・ 700~4,500円/㎡
  • セメント瓦・・・ 700~4,500円/㎡
  • トタン、ガルバリウム・・・ 1,200~4,500円/㎡

塗料代や作業代に加えて、足場代などがかかります。
足場代は、一般的な30坪程度の一戸建ての場合には20万円程度となりますが、勾配が極端にきついなど、特殊な形状の屋根の場合にはさらに高くなることもあります。
屋根塗装と外壁塗装を同時に行うと、足場代の節約になります。

屋根をメンテナンスする際に気を付けることは?

屋根の素材によって、注意するポイントが異なります。

塗装できないスレート屋根がある

ひび割れ、欠け、塗装の剥がれ、下地の傷みがひどく、塗装しても強度が保てないほど屋根の劣化が進行している場合には、塗装の効果が見込めないため葺き替えを選択せざるを得ません。

また、アスベストを含まないノンアスベストが開発された初期の商品の中には、極端に強度が弱いものが存在します。
このような素材を使用している場合、耐用年数未満であっても、葺き替えとなってしまうことがあります。

該当すると思われる場合には、安易に塗装をせず専門業者に屋根の状態をよく見てもらいましょう。

塗装は3回まで

定期的に塗装した場合、塗装の回数が増えるにつれ、塗膜が厚くなり割れやすくなっていきます。
同じ屋根への塗装は、一般的には3回までと言われています。
その頃にはすでに屋根材の耐用年数を迎えているため、葺き替えを検討した方がよいでしょう。

勾配や重量

葺き替えや重ね葺きをする際には、屋根の素材によって必要な最低勾配が違うので注意しましょう。
たとえば、緩い勾配の屋根に横葺き金属屋根を施工してしまうと、水はけがうまくいかずに雨漏りを引き起こしてしまいます。
勾配を確認して、適した屋根材を選択するようにしてください。

また、建物は屋根の重量を計算して、重さに耐えられるような構造で作られています。
葺き替えや重ね葺きで、今までよりも重い屋根になる場合には、建物への負荷が大きくなってしまいます。
特に重ね葺きでは、軽量な金属屋根などを選択し、できるだけ建物へ負荷がかからないようにします。

金属屋根、瓦屋根は専門業者へ

スレート屋根は施工が容易で、幅広い業者が扱っています。
しかし瓦屋根は構造が複雑で、昔ながらの「土葺き工法」「引き掛け桟瓦葺き工法」「ガイドライン工法」など様々な技術が使われているため、瓦業者しか扱うことができません。

金属屋根も同様に、施工には熟練した技術が必要で、現場で金属建材を加工するなど金属屋根特有の作業が発生します。
金属屋根の補修は、金属屋根の扱いに慣れた板金業者が最も適しています。

屋根のメンテナンスの事も辻塗装にお任せください

屋根には様々な素材が使われていて、素材によってメンテナンス方法や劣化の兆候が異なります。
ご自宅の屋根がどんな素材であるかを知っておき、最適なタイミングでメンテナンスをできるようにしましょう。
もし分からない場合は、優良業者に相談してみるのも一つの手です。

スレート、金属、セメント瓦は定期的な塗装が必要です。
塗装は費用がかかり大がかりな工事で大変ですが、ひびや割れなどの不具合がないかをチェックして補修をするよい機会にもなります。
傷みに気づかずに放置していると、雨漏りといった大きな問題につながってしまうため、メンテナンス費用を抑えるためにも、こまめなお手入れがおすすめです。

もし、屋根の劣化やメンテナンスで気になる点があるのなら、私たち辻塗装にご相談ください。
辻塗装は、福岡で36年の実績を持つ信頼できる塗装業者です。
国家資格も持つ経験豊富な職人が、あなたのお宅を適切にメンテナンスいたしますので、ぜひお気軽にご連絡ください。


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