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外壁塗装にスプレーは使える?メリットとデメリットを解説

外壁の塗装方法のひとつに、スプレー塗装というものがあります。
最近では採用されることが少ない塗装方法なので、聞いたことが無い方も少なくないでしょう。
スプレー塗装というのがどういった塗装方法なのか、他にはどのような塗装方法があるのか、疑問に思われるかもしれません。

塗装業者から、スプレーを使った吹付け工法を提案された際も、本当に適切なのか不安に思われるかもしれません。
外壁塗装ではどんな道具が使われているのか、どんな条件の時に、どの道具が適しているのか、ひととおり知っておくと、塗装工事を依頼するときに相談がスムーズに進みます。

また、DIYで塗装をしようと考えている方にも、スプレーを使った塗装の基本的な手順やスプレーの選び方がわかると参考になるでしょう。
ここでは、外壁塗装における道具の選び方や、スプレー塗装のメリットデメリットについて、詳しくお伝えしていきます。

目次

塗装をするための道具

外壁を塗装する際には、職人の手作業で塗料が塗られます。
プロが使用する道具は主に3つの種類があり、ローラー、スプレーガン、刷毛のいずれか、またはいくつかを組み合わせて使うことが多いです。
まずは、それぞれの道具の違いをみていきましょう。

ローラー

外壁塗装で、一番多く用いられているのはローラーです。
ローラーを使った塗装作業は、塗料が飛散しにくく扱いやすいからです。

ローラーは芯の太さやハンドルの太さ、毛の長さによって多くの種類があります。
塗る場所や面積、塗料の成分によってローラーを使い分けます。

作業の際には、下げ缶と呼ばれるバケツに塗料を入れておき、そこへローラーを浸しながら塗っていきます。
均一に塗れるため、一度に広い面積を塗る場合に適しています。

スプレーガン

吹付け工法と呼ばれる方法で塗装をする場合、スプレーガンという道具を使います。
スプレーガンは、液体の塗料を霧状にして噴霧する道具です。

スプレーガンは、主にモルタル材の外壁に使われます。
表面に凹凸をつけて立体的に仕上げることができるため、デザイン性の高い塗装をする場合に適しています。

スプレーガンに付属する容器に塗料を入れておき、レバーを引いて塗料を吹き付けます。
ローラーよりさらに作業スピードが速く、一度に広い面積を塗る場合に適しています。

刷毛

塗装する面積が狭い場合は、小回りの利く刷毛を使います。
広い面積を塗る場合でも、窓の近くなど細かい部分は刷毛で仕上げます。
塗料の飛び散りが少ないので、住宅が密接しているような場所にも向いています。
ただし、一度に塗れる範囲が狭く、塗装に時間がかかります。

刷毛は形状によって、平刷毛(ベタ刷毛)、寸動刷毛、筋交い刷毛などの多くの種類があります。
毛の素材は馬やロバなどの獣毛が多いですが、水性塗料との相性がよくないため、水性塗料に特化した化学繊維でできた刷毛もあります。

塗装に使うスプレーの種類

外壁塗装に使うスプレーは、一般的なスプレーと違い電気を使って空気を圧縮して吹付けます。
塗料を入れるカップの容量やノズルの口径によっていろいろな種類があるので、目的にあったスプレーを選びます。
道具を選ぶ際には、グリップの握りやすさや手入れのしやすさも、チェックするとよいでしょう。

外壁塗装に使われるスプレーは、大きく分けるとエアスプレーとエアレススプレーの2種類に分けられます。

エアスプレー

圧縮した空気を利用して、霧状に塗料を吹付けるのがエアスプレーです。
塗料を貯めておく容器から塗料を供給しながら噴霧しますが、その供給の方法によってさらに3つの種類に大別されます。

容器がスプレーの上部にあるものを「重力式」と呼びます。
塗料の入った容器と一体化したスプレーを持って作業をするため、あまり重いと使いづらくなります。そのため容器の容量は少なく、一度に広い面積を塗るのには適していません。
細かい作業がしやすいので、DIYでの塗装に向いています。

容器がスプレーの下部にあるものを「吸い上げ式」と呼びます。
底が平らな容器の上にスプレーがついているため、塗料をいれたまま地面に置くことができ、作業がしやすいです。
多いもので1キロ程度の塗料を入れることができます。
重力式と比べると塗料の噴出量がやや少ないことと、容器の底の方に残った塗料を吸い上げることが難しいため、塗料を使いきれない点がデメリットです。

容器がスプレーとは別れていて、ホースを使って供給するものを「圧送式」と呼びます。
1~10キロほどのタンクに塗料を入れられるため、大量の塗料を吹き付ける場合や、粘度の高い塗料を吹き付ける場合に使われます。

エアレススプレー

外壁塗装で主流となっているのが、エアレススプレーです。
エアスプレーのように圧縮空気を使う方法ではなく、噴射口を小さくすることで塗料自体を圧縮して噴霧します。

塗装スピードが速く、広い面積を塗るのに適しています。
エアスプレーより飛散が少なく、高粘度の塗料も使用できます。

一方で、強い圧力をかけるため、少量だけを噴霧することが難しく、細かい場所の塗装には向きません。
全体的に、仕上がりは粗くなります。

スプレー塗装の手順

スプレーを使った塗装は、「吹付け工法」と呼ばれます。
吹付け工法には、2つのパターンがあります。

骨材系塗装仕上げ

骨材系塗装仕上げは、リシン吹き仕上げや、スタッコ吹き仕上げと呼ばれるものです。
基本的に、下地を吹付けた上に、細かく砕いた石や砂などの骨材を混ぜ込んだ塗料を吹き付けて仕上げます。
仕上げは2回吹付けします。
塗料自体がざらざらとしているため、吹き付けるだけで凸凹のある仕上がりになります。

骨材と混ぜ合わせる塗料は、アクリル塗料を使用します。
以前は、現場で塗装する際に混ぜあわせていましたが、最近では混ぜられた状態の塗料が販売されています。
また、比較的安価に仕上げることができます。

タイル吹き仕上げ

下地作りのタイミングで凹凸をつけておき、仕上げ材としてトップコートを塗って仕上げる方法です。
ボンタイル、玉吹きとも呼ばれています。

下地材を、機械で玉のような形状で飛ばし吹付けます。
玉の大きさは自由に設定できるので、デザインの自由度が高いです。
さらに、玉吹きをした後で、半乾き状態のうちにローラーで玉を押さえつけて、玉を潰したような形状にする仕上げ方法もあります。

仕上げのトップコートは、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素など好みで選びます。
どの樹脂を選ぶかによって、費用や耐久性に差が出ます。
基本的にはトップコートを2回吹付けますが、トップコートをローラーで塗る場合もあります。

スプレー塗装のメリット

スプレー塗装が適しているのは、どのような場合でしょう。
スプレー塗装のメリットとして、以下のようなものがあります。

表現のバリエーションが豊富

ローラーでの塗装は基本的にベタ塗りになりますが、スプレーで塗装をすると、表面に凹凸をつけることができます。
そのため、表現のバリエーションが豊富です。

ざらざらした質感や凸凹した質感は、建物に高級感が出ます。
好みの模様に仕上げることができることが、スプレー塗装の一番のメリットと言えるでしょう。

重厚感がある

スプレー塗装で使われる素材には、大理石や陶磁器を細かく砕いたものもあります。
さらに、天然石のような仕上がりになるものもあります。
このように、キラキラと光を反射させるような素材を含むと、重厚感のある仕上がりになります。

作業効率が良い

スプレー塗装は、一度に大量の塗料を噴霧することができるため作業効率が良いです。
塗装する面積が広ければ広いほど、そのメリットを多く受けられるでしょう。
1回の塗装で、広範囲を均一に塗ることができます。

スプレー塗装のデメリット

メリットが多く感じるスプレー塗装ですが、一般的な戸建ての塗装をする場合には不向きな点もあります。
ここからは、スプレー塗装のデメリットを見ていきましょう。

周囲に飛び散る

道具などによっても異なりますが、スプレー塗装の塗料の密着率は50%程度と言われています。
すなわち、50%の塗料は周囲に飛び散ってしまうということです。

スプレーから勢いよく飛び出した塗料は遠くまで飛び散るため、広い範囲に養生をしっかりしておかなくてはなりません。
養生シートを二重にしたり、シートの隙間を埋めたりして、できる限り養生するといった工夫が必要です。
隣家との距離が近い場合には、使わない方が無難でしょう。

手間がかかる

スプレーはローラーや刷毛による塗装と比べ、養生を念入りにする必要があります。
その分、労力は増してしまうのです。

また、スプレーは使用後に大量にシンナーを使って、洗浄しなくてはなりません。
これは、塗料が残ってしまうと、スプレーが詰まってしまうからです。

スプレーを使った塗装は効率よく早く作業ができるとはいえ、準備や片付けに時間がかかるとあまりメリットが感じられなくなってしまいます。
そのため、一般的な戸建てではあまり用いられず、マンションや工場などの大きな建物で使われることが多いです。

塗料の無駄が出る

スプレー塗装では、おおよそ50%の塗料が飛び散ってしまいます。
そのため、塗料を多く用意しなくてはなりません。
その分の塗料代がかかるため、ローラーに比べるとコストが高くなってしまいます。

技術力によって仕上がりに差が出る

外壁塗装は広い面積を塗るため、そのすべてを均一に塗るのには技術を要します。
スプレーガンでの塗装は、一定のスピードでスプレーガンを往復させなければなりません。
スピードが遅い部分があると、塗料が多くかかり塗膜が厚くなってしまいます。

このような作業は、ある程度の経験がないと上手に塗ることができません。
スプレー塗装を行う業者は少なくなってきていますので、その中でも経験の豊富な業者を探すと良いでしょう。

スプレー塗装を選ぶべきシチュエーション

現在の戸建てで多く採用されている外壁材は、窯業系サイディング材です。
表面が平らなサイディング材に対しては、ローラーを使った塗装が適しています。

スプレー塗装は主に、モルタル外壁の仕上げとして採用されています。
モルタル外壁でも、ローラーを使うかスプレーを使うかは選ぶことができます。
元々の外壁にスプレー塗装が施されていて凹凸があっても、塗装方法にそれほど影響はありません。
凹凸の外壁にローラーで塗装をする場合には、表面を削ったり下地材を使ったりして平坦に加工します。

どの種類の外壁でも技術的にはスプレー塗装が可能なので、仕上げたいデザインに合わせて選択すると良いでしょう。
もし、高級感のある仕上げや凹凸がある仕上げを希望する場合には、スプレー塗装がおすすめです。

スプレー塗装の注意点

スプレー塗装を選択する場合には、いくつか気を付ける点があります。

基準塗布量を守る

外壁の塗装は、塗膜が厚ければ厚いほど良いというわけではありません。
塗料本来の性能を最大限に発揮するためには、メーカーが定める塗布量を守ることが重要です。
規定塗布量は、仕様書やカタログに明記されています。

スプレーガンを使う場合には、スプレーの移動スピードで塗布量が変わってきます。
そのため、規定塗布量に合うように作業を進める、技術力の高さが必要になります。

足場と壁面の距離が必要

狭い住宅地など、足場を組むスペースが限られている場合には、スプレー塗装ができない場合があります。
スプレーは機械を持ち運びながら移動し、手を大きく動かしながら作業を行います。
そのため、作業スペースを十分に確保しなくてはならないのです。

足場が狭い場合には、ローラーや刷毛の方が適しています。

凸凹に汚れがたまりやすい

スプレー塗装は、表面が凸凹した仕上がりになるため、雨水や汚れが溜まりやすくなります。
また、溜まった水分や汚れが引き金となり、カビやコケが生えてしまうこともあります。
汚れを防ぐには、汚れの付きにくい塗料を選択するか、トップコートで仕上げるようなデザインを選ぶ必要があるでしょう。

また、表面がぼろぼろと落ちてしまうような素材もあります。
このような素材の場合には、専門の業者に依頼して洗浄してもらった方がよいでしょう。

スプレーでの外壁塗装も辻塗装にご相談ください

スプレー塗装は、主にモルタル外壁で使われる塗装方法です。
最近ではモルタルの外壁が少なくなってきているため、スプレー塗装の機会は減りつつあります。

一方で、スプレーを使った塗装は、重厚感、高級感のある仕上がりにすることができます。
ただし、スプレー塗装の仕上がりの良さは、職人の技術力が大きく影響します。
そのため、スプレー塗装を依頼する場合には、できるだけ経験の豊富な業者を選ぶと良いでしょう。

もし、福岡でスプレー塗装をご検討中なら、私たち辻塗装が力になります。
辻塗装は、創業40年を迎える、地域密着の塗装業者です。

豊富な経験と知識で、高い技術力を必要とするスプレー塗装も、高品質に仕上げることができます。
外壁塗装に関することなら、何でも相談に乗りますので、まずはお気軽にお問い合わせください。


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