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見た目だけでは識別しにくい外壁材の種類と見分け方

建物の外壁に使われる素材にも、様々な種類があることをご存知でしょうか?
実は外壁に使われる素材にはいくつかの種類があり、必要なメンテナンスも異なってきます。
そこで、メンテナンスの前に、自宅の外壁が何でできているかを把握しなくてはなりません。

ただ、外壁材は見た目には同じように見えるため、自宅がどのような素材でできているか判断ができないという方もいらっしゃるかもしれません。
そこでここでは、外壁材の種類の見分け方を詳しく紹介していこうと思います。
外壁塗装などのメンテナンスの前に、ぜひ参考にしてみてください。

目次

外壁材の種類

外壁材の見分け方をご紹介する前に、まずは外壁材にはどのような種類があるか解説しておきますね。
現在日本では、主に5種類の外壁材が使われています。
その5種類とは、窯業系サイディング、モルタル、金属系サイディング、ALCパネル、タイルです。

この中でも、現在最も広く使われている外壁材が、窯業系サイディングです。
窯業系サイディングとは、セメントと繊維質を混合して作られる板状の外壁材です。

工場で生産された外壁材を現場で張り付けて施工するため、作業性が良く住宅の価格を抑えることができることが人気の理由の一つです。
また、工場で製造される外壁材なので、非常にデザインが豊富なことも人気の理由として挙げられるでしょう。

たとえば最近では、タイルやレンガ、天然石でできたような外観の外壁をよく見かけます。
しかし、実際にタイルやレンガ、天然石が外壁に使われていることはほとんどありません。
このような見た目の外壁は、デザイン性を高めた窯業系サイディングであることがほとんどです。

次に日本で多く使われているのが、モルタルの外壁です。
窯業系サイディングが登場する1980年代までは、日本の外壁材の主流として使われてきました。
現在でも、仕上げを自由にデザインできることから、見た目にこだわる方などから支持を集めています。

金属系サイディングは、近年人気が高まりつつあります。
名前の通り、金属でできたサイディングボードで、ガルバリウム鋼板や塗装ステンレス鋼板などが、外壁材として多く用いられます。
金属系サイディングは薄く軽量なので、カバー工法でも多く用いられています。

ALCパネルは、気泡を含んだ軽量なコンクリートです。
また、タイルは皆さんご存知だと思います。
この二つの外壁材もそれなりに用いられていますが、他の3種類と比べると数はかなり少なくなります。

この他にも、木質系サイディングや樹脂系サイディングなど、外壁材の種類はまだいくつか存在します。
ただ、現在の日本ではほとんど使われていないことから、新築の際にあえて選択していない限り、使われている可能性は極めて低いといえます。

外壁材の見分け方

一言に外壁といっても、多種多様な素材が使われています。
それでは、それぞれの外壁材の見分け方を紹介していきましょう。

窯業系サイディングの見分け方

窯業系サイディングには、非常に多種多様なデザインがあります。
塗り壁に見えるデザインをはじめ、タイルやレンガの柄をしたもの、天然石のように見えるもの、木目に見えるものまであります。
近年ではインクジェットプリンターで塗装されるものもあり、見た目の精巧さは年々増してきています。

見た目が精巧になっているので、パッと見では窯業系サイディングと分からないケースもあります。
そこで注目したいのが、サイディングボードの継ぎ目です。
窯業系サイディングは、ボード状の外壁材を現場で貼り合わせて外壁を作るので、繋ぎ目が必ず発生します。
天然石のように見える外観でも、窯業系サイディングならどこかに不自然なつなぎ目があるということです。

日本で販売される窯業系サイディングのほとんどは、「455×3030mm」のサイズで作られています。
つまり、上方向に3mの位置と横方向に455mm間隔で目地ができるということです。
外壁に455mmごとの等間隔で目地があるようなら、窯業系サイディングである可能性が高いといえます。
窯業系サイディングの場合、目地が目立つため上方向3mの位置を幕板で隠しているケースもあるので、これも一つの目安となります。

また、窯業系サイディングは、日本の住宅の70%以上で使用される外壁材です。
つまり、建売の住宅など特に指定していないのなら、使用されている可能性が高いということです。
外壁材の種類を判別する際は、まずは窯業系サイディングを疑って調べるとスムーズかもしれません。

モルタルの見分け方

モルタルの外壁は、左官で外壁材を塗り付けることで作っていきます。
つまり、モルタルの外壁は塗り壁になるということです。

左官により1枚の外壁を仕上げていくので、目地が生じることがありません。
つまり、外壁に目地が全く見られない場合は、モルタルの外壁であると判断できます。

また、モルタルでできた外壁には、吹き付けによる仕上げ塗装が施されていることがほとんどです。
塗装の表面に、スタッコやリシン、吹付タイル」と呼ばれる細かな凹凸のある見た目をしていたら、モルタルの外壁である可能性が高くなります。

モルタルは、1990年代までは外壁材の主流として使われてきました。
このことから、1990年以前に建てられた住宅なら、モルタルの外壁である可能性が高いでしょう。
もし、築年数の古い住宅にお住まいなら、まずは外壁がモルタルである可能性を考えて調べてみてください。

金属系サイディングの見分け方

金属系サイディングは、名前の通り金属でできた外壁材です。
そのため、簡単に見分けられると思うかもしれません。
ところが最近では、インクジェットプリンターによる塗装を施すことで、本物のレンガや天然石と見間違えるようなデザインの金属系サイディングも登場しています。
そのため、見た目だけで判断するのは意外に難しいといえます。

金属系サイディングも、窯業系サイディングと同じように板状の外壁材を張り付けることで外壁を作ります。
そのため、金属系サイディングでも目地が生じます。
ところが、金属系サイディングの場合、目地が目立たないよう工夫された商品が多いため、窯業系サイディングほど目立つことはありません。
つまり、目地があまり目立たないようであれば、金属系サイディングの外壁である可能性があります。

窯業系サイディングやモルタル、ALCパネルは、原料としてセメントが用いられています。
一方、金属系サイディングの場合、原材料は名前の通り金属です。
このことから、外壁を叩いた感触や音などで区別することも可能です。

ALCパネルの見分け方

ALCパネルも、他のサイディングと同じく板状の外壁材です。
外壁材を張り合わせることで、建物の外壁を作っていきます。
つまり、ALCパネルの外壁にも窯業系と同じように目地ができます。

代表的な外壁材の中では、窯業系サイディングと金属系サイディング、ALCパネルに目地ができることになります。
これだけあると、目地だけでは外壁材を見分けるのが難しいと感じるかもしれません。
実際、窯業系サイディングとALCパネルの目地はよく似ています。
ただ、金属系サイディングは目地があまり目立たないので、見分けることが可能です。

窯業系サイディングとALCパネルとの違いとしては、目地の間隔が挙げられます。
窯業系サイディングがほとんど455mm間隔であるのに対し、ALCパネルは300mm〜600mm程度と幅があります。
ただ、こちらも100〜200mm程度の差なので、パッと見では見分けがつきにくいかもしれません。
きっちりとメジャーなどで測れば、違いが明確になるでしょう。

ALCパネルの特徴として、外壁材の厚みがあることが挙げられます。
商品により厚みは様々ではありますが、最も薄いものでも35mmほどはあります。
窯業系サイディングの厚みがおおよそ15mmほどなので、倍以上の厚みがあるということです。

外壁材に厚みがあるため、窓やドアの取り付けが窯業系サイディングとは異なってきます。
ALCパネルの場合、外壁材の厚みの分、窓やドアが内側に下がっているケースがあります。
外壁が窓などより出っ張っているのなら、ALCパネルの外壁である可能性が高いといえるでしょう。

タイルの見分け方

窯業系サイディングや金属系サイディングの中には、タイルを模したデザインのものも多くあります。
しかし、本物のタイルとは質感が全く異なるため、触れば簡単に見分けることができるでしょう。
本物のタイルは石のように固く、独特の質感があります。

また、タイルの外壁はモルタルを目地として張り付けて作ります。
つまり、タイルとタイルの間の目地はモルタルになるということです。
タイルを模した窯業系サイディングは、タイルとタイルの間も同じ素材になります。
つまり、タイルと目地が異なる素材の場合は、本物のタイルが外壁に使われているということです。

そのほかの外壁の見分け方

上記でご紹介した外壁材以外に、木質系サイディングという外壁材もあります。
こちらは本物の木材を外壁にしているので、簡単に見分けることができると思います。
防腐処理や防水処理が施され、無垢の木材ではありませんが、本物の木材の持つ質感や温かみは損なわれません。

もし、外壁が木質系サイディングなら、少し注意が必要です。
風雨にさらされる外壁が木材であることから、非常に劣化しやすい外壁材だからです。
もし、木質系サイディングで外壁が作られているのなら、こまめなメンテナンスが不可欠になります。

また、日本ではあまり普及していませんが、樹脂系サイディングと呼ばれる種類の外壁材もあります。
樹脂系サイディングは、塩化ビニルを主原料とした外壁材で、北米では主流となるほどのシェアを誇ります。
塩化ビニルは塩ビパイプの原料なので、外壁の質感もそれに近いものになります。

樹脂系サイディングは、継ぎ目のできない工法で作られます。
そのため、窯業系サイディングなどで見られる目地は生じません。
モルタルとも異なる質感なので、見た目で見分けるのは難しくないでしょう。

樹脂系サイディングは、日本での普及率は1%にも満たないとされます。
そのため、樹脂系サイディングの可能性は、あまり考慮する必要がないかもしれません。

外壁材の種類が分からない場合の対処法

近年の外壁材は、製造技術や塗装技術の向上により、本物のレンガや天然石などと見間違えるほど精巧につくられるようになりました。
そのため、外壁材ごとの特徴を学んだとしても、本当に見分けることができるか不安になるかもしれません。
そのような場合は、プロの目で外壁材を見極めてもらう事をオススメします。

最も身近な外壁のプロといえば、外壁塗装業者でしょう。
外壁塗装は、外壁材に合った塗料や工法を選ばなければうまく施工できません。
そのため、外壁塗装業者は外壁材に関しても深い知識を持っています。

ただし、外壁塗装は悪徳業者の多い業界なので、業者選びには慎重にならなければなりません。
悪徳業者は知識が少なく、塗装の契約を取る事ばかり考えているので、相談しても思ったような返事が返ってこないことが多くあります
突然訪問営業をしてくる塗装業者や、質問に誠実に答えられない塗装業者は避けた方が無難でしょう。

優良な塗装業者の特徴として、地域密着で営業をしていることが挙げられます。
地域で長く仕事を任される業者になるには、地元からの信頼が不可欠だからです。
悪徳業者のような不誠実なことをしていれば、地域密着では営業を続けられなくなります。
優良な業者なら、親身に相談に乗ってくれると思いますので、一度相談してみるとよいでしょう。

外壁材のメンテナンスは辻塗装にお任せください

外壁材が何でできているか見極めることは、メンテナンスを実施する上で必要不可欠です。
なぜなら、外壁材の種類によって、必要となるメンテナンスが異なるからです。
適切なメンテナンスを施すことができなければ、住宅の寿命を縮めてしまうことになりかねません。

外壁材が何なのか自分で判断できれば、メンテナンスの依頼もスムーズです。
しかし、あまり自信がないようでしたら、遠慮なくプロに相談してみてください。
優良な塗装業者なら、些細なことでも真剣に相談に乗ってくれると思います。

もし、福岡で外壁のメンテナンスをご検討中なら、私達辻塗装までご相談ください。
辻塗装は、創業から40年間、地元福岡に密着して営業を続けてきた塗装専門店です。
豊富な知識と経験をもつ塗装職人が、どんな些細な疑問にも親身になってご回答します。
ご相談やお見積りは無料で承りますので、お気軽にお問い合わせください。


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