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メンテナンスフリーは実現できる?外壁塗装の回数を減らす工夫

持ち家を所有することは、多くの人の憧れです。
せっかく手に入れた一戸建て、できるだけ綺麗な状態で長く住み続けたいものです。

一戸建てを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。
しかしメンテナンスにはまとまったお金が必要ですし、工事の発注や工事中の不便さを考えると億劫に感じますよね。
できることなら、メンテナンスの回数を減らして煩わしさから逃れたいものですよね。

戸建てのメンテナンスの中でも、重要度が高いものが外壁塗装です。
外壁塗装のメンテナンスの手間を減らすには、どうしたらよいのでしょうか。
メンテナンスフリーの外壁材や、メンテナンスの省力化について、詳しくみていきましょう。

目次

外壁材のメンテナンス

外壁は建物を守る役割があり、常に太陽光の紫外線や、雨雪、台風などの刺激にさらされています。
もし外壁がひび割れてしまったり、耐水性がなくなり水が染み込んでしまうと、建物の内部が腐ってしまったり雨漏りをしてしまいます。

このような事態にならないためにも、適切なメンテナンスをして外壁の性能を維持していかなくてはいけません。
外壁にどんなメンテナンスが必要かは、外壁に使われている素材によって異なります。
まずは、外壁材の種類ごとに必要なメンテナンスを紹介していきます。

窯業系サイディング

現在の戸建て住宅で、一番多く使われているのは窯業系サイディングです。

窯業系サイディングは水に弱い性質があるため、塗装でコーティングをして耐水性を持たせています。
経年劣化で塗装が剥げてしまったら、再塗装が必要です。
一般的には、10年に一度を目安に外壁塗装が必要です。
費用は、平均的な30坪程度の戸建てで100万円前後です。

また、サイディングにひび割れがあれば補修が必要です。
サイディングとサイディングのつなぎ目にはシーリング材が充填されていますが、シーリング材が劣化したら打ち直しをします。
補修とシーリング材の打ち直しは、外壁塗装と同じタイミングで工事をする方が多いようです。

金属系サイディング

金属系サイディングにはガルバリウム鋼板、アルミ、ステンレスと金属の種類がいくつかあります。
メンテナンスについて周期は異なりますが、どれもほぼ同じ考え方です。

金属は錆びが大敵です。
錆びは放置すると穴になってしまい、そこから建物内部に浸水します。
錆びを引き起こさないために、金属系サイディングには塗装が施されています。
この塗装が経年劣化してしまうため、定期的に再塗装をします。

再塗装は、窯業系サイディングと同じく10年に一度程度が目安です。
金属系サイディングもつなぎ目にはシーリング材が充填されているため、シーリング材のメンテナンスも必要です。

モルタル

モルタルはセメントと砂でできていて、防水性が低い材質です。
そのため、表面には塗装をして防水性を持たせています。

モルタルの外壁はひび割れや剥がれが起きることがありますが、水漏れの原因となるため、見つけたら補修が必要です。
塗装はサイディング外壁と同様に、10年に一度を目安に再塗装をします。

メンテナンスフリーとは

現在主流の外壁材では、基本的にメンテナンスを必要とします。
最近では「メンテナンスフリー」を謳っている外壁材や塗料がありますが、多くの場合には「100%メンテナンスが不要」というわけではありません。
どういうことかというと、「メンテナンスの手間が少ない」「従来の商品より耐久性が高い」といった商品だと考えた方がよいでしょう。

メーカーの技術革新により、防汚性を高めて汚れにくくした商品や、セルフクリーニング機能を持たせた商品が登場しています。
メンテナンスの手間が少ない商品を使うことで、将来のメンテナンスのコストを下げることができるかもしれません。
たとえば、再塗装までの期間を10年から20年に延ばすことができたら、再塗装の回数を減らすことができコストダウンになるので、大変魅力的になるでしょう。

メンテナンスしやすい外壁材

もしこれから一戸建てを建てるのなら、メンテナンスの手間がかからない外壁材を使うという選択肢があります。
一般的にメンテナンスしやすいと言われている外壁には、次のようなものがあります。

タイル

タイルは粘土を原料とし、高温で焼き固めてできた板状の陶磁器です。
水をほとんど吸わないため、塗装による保護が必要ありません。
タイルは1000度を超える高温で焼かれているため、熱に強く耐火性に優れています。

また、とても硬くほとんど傷がつきません。
表面が硬いことで汚れが付きにくく、付いたとしても水洗いで落とすことができます。

タイル自体の耐用年数は、40年以上と言われています。
耐用年数が長く手がかからないことから、商業施設やマンションなどで多く使われています。

タイル外壁のメンテナンスとしては、全体の洗浄、目地部分のシーリング材の補修が必要です。
まれに剥離が起こることがあるため、定期的なチェックが必要になります。

タイル外壁の工法はいくつかあり、シーリング材が使われない工法や、剥離がほとんどおきない工法があります。
このような工法で施工すれば、メンテナンスは洗浄のみとなり、メンテナンスフリーに近いものになります。

レンガ

レンガもタイルと同様、メンテナンスに手間がかからない素材です。
レンガ外壁には、レンガを積み上げて外壁とする積みレンガと、モルタルを土台とした外壁にレンガタイルを張り付けるものがあります。
日本では地震のリスクが大きいこともあり、積みレンガを戸建てで使うことはあまりありません。
ほとんどの場合は、レンガタイルを使用しています。

レンガもタイルと似た性質で、粘土を高温で焼き固めてできています。
そのため、耐久性、耐火性に優れています。
ヨーロッパでは古くから建築材として用いられており、百年以上の歴史がある建物も多数あります。

レンガは年月が経つと色合いが変わってきますが、その素朴な変化も味わいのひとつといえます。
カビやコケが生えてしまうこともありますが、この場合には洗浄が必要です。
タイルと同様に、目地部分の補修やひび割れ・剥離があれば適宜補修をします。

板張り

板張りの外壁は日本に古くからありますが、最近その良さが見直されて、じわじわと需要が増えてきています。
木は吸水性があるものの、乾燥が早いため、塗装をしなくてもそのままの状態で外壁材として使用できます。
日本のお寺などでは板張りの外壁建物が多くあり、耐久性は実証済みです。

ただし、時間とともに色合いが大きく変わるので、塗装をせずに外壁材として使うには好みが分かれるところでしょう。
見た目の色合い以外には、経年で反りや割れが起きる可能性があります。
板張りの場合には、補修したい箇所だけを張り替えることができるので、補修が容易なのもメリットです。

漆喰、珪藻土、シラス壁

漆喰、珪藻土、シラス壁は、自然素材を原料とする塗り壁です。
環境への負荷が低いことや、ナチュラルな見た目、日本の風土に合った調湿作用などから、近年注目されています。

どの原料も無機質で、腐敗の原因となる物質が含まれていないため、劣化しにくく、耐久性が高いです。
耐火性が高いことも特徴のひとつです。

基本的には、汚れが付いた時に洗浄をしたり、ひび割れを補修するといった軽微なメンテナンスが必要です。

主なメンテナンスフリー外壁

ハウスメーカーでは、メンテナンスフリーのオリジナル外壁材の開発が進められています。
ここからは、代表的な商品を紹介します。

積水ハウス ベルバーン

粘土や石を原料とし、陶器のように高温で焼き固めて作られた外壁材です。
自然素材を原料としながら、工業製品としての正確性を追求した商品となっています。

表面は硬く、半永久的に色褪せなどの劣化がなく、60年間メンテナンス不要とされています。
メーカー指定のシーリング材は耐用年数30年で、打ち替えの手間が少なくてすみます。

パナソニックホームズ キラテック

光触媒タイルという、磁器タイルに光触媒(酸化チタン)を焼き付け処理したものが使われています。
タイルという高耐久性の素材に対して、光触媒加工でセルフクリーニング効果をプラスしているのが特徴です。
光触媒には、太陽光を浴びることで汚れを分解して、付着しにくくするという効果があります。
そこに雨が当たることで、汚れを洗い落とすという仕組みになっています。

光触媒の効果は半永久的とされており、塗装などのメンテナンスは不要です。
シーリング材を使用しないため、打ち替えも必要ありません。
タイルを張り付けている接着剤の耐用年数が60年のため、60年間はメンテナンスフリーとされています。

一条工務店 ハイドロテクトタイル

キラテックと同様、タイルに光触媒技術をプラスしたものがハイドロテクトタイルです。
タイルの技術面はほぼ同じですが、ハイドロテクトタイルの場合にはシーリング処理が施されます。
メーカー指定のシーリングの寿命が30年とされているため、30年後には打ち替えの手間が発生する可能性があります。

メンテナンスの回数を減らす工夫

すでに建てられている建物の場合は、外壁材を張り直すのは多額の費用がかかります。
そのため、メンテナンスの手間を減らすには他の方法で工夫するのが良いでしょう。
窯業系サイディングや金属系サイディング、モルタルなど塗装を必要とする外壁材の場合には、以下のようなポイントを参考にしてみてください。

高耐久性塗料を使う

塗替えの際に使う塗料には、いくつかのグレードがあります。
耐久性の高い塗料を使うことで、次の塗り替えタイミングを先延ばしにできます。

塗料の価格は高くなってしまいますが、将来の塗替えにかかる費用をトータルで考えるとコストダウンになる可能性もあります。
長期的な視点で考えて、検討してみると良いでしょう。

きちんと点検する

塗替えの目安は10年に1度と言われていますが、立地や周辺環境、使われている外壁材や塗料によって条件は異なります。
10年経っていてもまだ塗膜の劣化があまり進んでいない状態であれば、塗替えを先延ばしにすることも可能です。

10年というのはあくまでも目安とし、業者に点検を依頼して劣化状況を正確に把握しましょう。
点検を口実に、不要な工事を勧めてくる悪徳業者もいますので、気を付けてください。
親身に相談に乗ってくれる、優良な業者を探すと良いでしょう。

こまめに洗浄する

外壁の洗浄をして、カビやコケ、汚れを落とすことで、塗膜の劣化スピードを遅らせることができます。
手持ちの高圧洗浄機でも洗浄は可能ですが、浸水しやすい箇所には気を付けてください。
業者に洗浄を依頼することもできます。

色選びの工夫

塗膜が劣化していなくても、色褪せて美観が損なわれてしまうと早めに塗替えしたくなってしまうものです。
そこで、汚れが目立ちにくい色で塗装をするのも一つの方法です。

また、艶なし塗料に比べて艶あり塗料の方が、汚れがつきにくくなります。
そのため、艶有り塗料を選ぶと綺麗な状態が長持ちします。

「メンテナンスフリー」の言葉に惑わされない

メンテナンスにはお金も手間もかかるので、「メンテナンスフリー」の言葉には魅力を感じますよね。
そこを狙ってくる悪徳業者もいますので、注意が必要です。
「この塗料を使えばメンテナンスフリーですよ」「この外壁材を重ね張りすればメンテナンスフリーになりますよ」と気安く使っている場合もあります。

メンテナンスフリーなのは何年間なのか、メンテナンスは何もしなくてよいのか、細かい点もしっかりチェックが必要です。

デザインが古びてしまうこともある

メンテナンスフリーの外壁材や耐用年数の長い塗料を使用した場合、数十年の間ずっと外壁のリフォームをしないことになります。
「雰囲気を変えたい」と思っても、初期投資した費用を考えると気軽にリフォームはできません。

数十年も経つ間には、世の中の流行も変わっているものです。
外壁が古びたデザインに見えてしまうリスクがありますので、注意してください。

外壁のメンテナンスの事なら辻塗装にお任せください

もしこれから一戸建てを建てるなら、メンテナンスの手間がかからない外壁材を使うのも一つの方法です。
タイルやレンガなど、塗装を不要とする外壁材なら、ちょっとしたメンテナンスで長持ちします。
ただし、通常の外壁材に比べるとかなり高額なので、将来的なメンテナンス費用も考えて検討するようにしてください。

窯業系サイディングなど現在主流となっている外壁材のほとんどは、定期的に塗装などのメンテナンスをすることを前提としています。
また、塗料にはメンテナンスフリーのものはないので、定期的な外壁塗装は必要と考えておいてください。

もし、外壁のメンテナンスでお悩みなら、私達辻塗装までご相談ください。
辻塗装は、40年の実績を持つ、経験豊富な塗装専門店です。
窯業系サイディングの外壁材の家でも、メンテナンスの費用を抑えられるよう、親身になってアドバイスします。
外壁塗装に関することなら、何でも相談に乗りますので、お気軽にお問い合わせください。


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