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レトロな漆喰外壁に塗装は必要?100年以上持たせるメンテナンス法も合わせて紹介



写真:漆喰

環境保護や自然素材のブームにより、注目を集めるようになっているのが漆喰を使った外壁です。
昔からある外壁でしたが、最近では見ることが少なくなっていますよね。
そんな漆喰壁が、今見直されつつあるのです。

ただ、何の知識もなしに外壁を漆喰にしてしまうと、後でメンテナンスに困るかもしれません。
そこでここでは、漆喰壁の特徴や、実際に漆喰壁にしたときの注意点などを紹介していきましょう。

目次

漆喰とは?

漆喰とは、消石灰を主原料とした昔ながらの塗り壁材です。
消石灰は、石灰石を粉末にして焼いた後、水と反応させたもので水酸化カルシウムが主成分となります。
漆喰の材料として使われる他、園芸用の土壌の調整剤として使用されたりしています。

外壁本体としての機能だけでなく、壁の外側に施工することで壁の構造を守る効果も持ち合わせています。
そのため、基本的に塗装により外壁を保護する必要はありません。

また、壁周りだけでなく瓦の接着剤や継ぎ目の充填材など、幅広い用途で使用されています。
古くから、民家だけでなく城郭や神社にも幅広く使われており、日本の建築物全般で活躍してきた素晴らしい建材と言えるでしょう。

漆喰外壁の種類

漆喰と言えば真っ白な見た目を想像すると思いますが、実は色々な種類が存在しています。
ここでは、代表的な漆喰をいくつか紹介しておきましょう。

本漆喰

本漆喰は、消石灰に海藻で作った糊と麻繊維を混ぜて作られます。
真っ白な見た目が特徴的で、古くからある漆喰の建造物はほとんど本漆喰が用いられています。

ほとんどの方が「漆喰」と聞いて、まず思い浮かべるタイプのものですね。
本漆喰は、日本で最も一般的な漆喰と言えるでしょう。

土佐漆喰、琉球漆喰

カ土佐漆喰は消石灰と藁と水を熟成して、琉球漆喰は生石灰と藁と水を熟成して作られます。
生石灰は、消石灰が水と反応する前の状態のもので酸化カルシウムが主成分です。
どちらも、材料に糊を使わないことが特徴となっています。

両者とも藁が発酵するため、黄色や茶色の色合いになります。
琉球漆喰のほうが藁の混合量が多いため、濃い色合いになるのが大きな違いです。

西洋漆喰

西洋漆喰は、消石灰に無機質の色粉、砂、大理石、セルロースファイバーなどを混合して作られます。
白く輝いた仕上がりになるのが特徴的です。
作られる地域により混合する材料が異なり、産地ごとにスペイン漆喰やフランス漆喰などと呼ばれることもあります。

西洋の教会やお城など、真っ白に輝く見た目の建物は西洋漆喰で作られています。
プラスターとも呼ばれ、日本の外壁に採用されるケースもあります。

漆喰外壁のメリット

漆喰は、古来より城郭や神社など様々な建物の外壁に使用されてきました。
重要な建築物に採用されるほど、外壁材として優れているということですね。
では、そんな漆喰のメリットを紹介していきましょう。

耐用年数が非常に長い

漆喰は、大気中の二酸化炭素を吸収して固くなる性質を持っています。
硬化は年月と共に徐々に進むので、古くなるほど強固になっていくのです。
この性質から、漆喰の耐用年数は100年以上になると言われています

ただし、100年以上持たせるためには、適切なメンテナンスが不可欠です。
何もしないで100年以上持つわけではないので注意してください。

高級感ある見た目がどんな建築物にも合う

白く美しい見た目の漆喰壁は、建物を高級感あふれる仕上がりにしてくれます。
塗り方のパターンを変えることや着色することも可能なので、デザインを楽しむことも可能です。

日本建築はもちろん、洋風建築に採用してもピッタリ合います。
どのような建物に使っても、素晴らしい外観を漆喰は提供してくれるのです。

有害物質を吸着する

漆喰壁は、表面が多孔質な構造のため、空気中に潜んでいる様々な物質を吸着してくれます。
シックハウス症候群の原因物質であるVOCなどの化学物質から、空気中のウイルスまで様々な有害物質を除去してくれるのです。

さらに、漆喰は強アルカリ性なので、高い殺菌作用を持ち合わせています。
この殺菌作用により、吸着したウイルスを死滅させてくれるのです。
最近の研究では、インフルエンザウイルスにも効くことが発見されています。

殺菌作用は、当然カビにも効果を発揮します。
そのため、漆喰壁にはカビを防ぐ機能も備わっているのです。

漆喰壁は、様々な有害物質から私たちの生活を守ってくれます。

調湿作用が高い

漆喰壁は、湿度が高いと湿気を吸い込み、逆に湿度が低いと湿気を吐き出します。
この作用により、常に周囲の湿度を一定レベルに保ってくれるのです。
室内の内壁を漆喰で作れば、年中快適な室内に保つことができるでしょう。

日本の夏は湿度が高く蒸し暑いので、特に漆喰の力が発揮されます。
外壁だけでなく、内壁にも漆喰の採用を検討してみるのもいいと思いますよ。

防火性が高い

漆喰は、石材と同じような成分で作られているので、基本的には燃えません。
防火性が非常に高いので、火災などから家を守る効果にも期待が持てます。

そもそも漆喰は、木造建築を火災から守るために使われていたとも言われています。
特に外壁を漆喰で作っていれば、周囲の火災が燃え移るのを防いでくれるでしょう。

土にかえる

基本的に漆喰は、自然素材のみで作られているため土にかえります。

撤去した際も廃材を極力少なくできるため、地球環境にも非常に優しい建材と言えるでしょう。
エコが叫ばれている現在だからこそ、見直されつつあるのですね。

漆喰外壁のデメリット

レトロな味わいで再注目されている漆喰ですが、デメリットがあることを忘れてはいけません。
漆喰壁への変更を検討しているのなら、デメリットまでしっかりと理解しておく必要があるでしょう。
漆喰壁のデメリットは以下の通りです。

傷に弱い

湿漆喰壁は、傷がつきやすいことが最大の弱点と言えます。
特に引っ掻きには弱く、固いもので擦ってしまうとすぐに傷がついてしまうのです。

また、ひび割れしやすいこともデメリットとして挙げられます。
特に漆喰外壁は天候や気温の影響を大きく受けるので、よりひび割れやすいと言えるでしょう。
また、地震のようなゆれの影響でも、ひび割れるおそれがあります。

ただし補修は可能なので、傷やひび割れには早めに対処するようにしてください。

施工費用が高く施工期間も長い

漆喰壁は、水を混ぜた状態の漆喰を塗りつけて施工します。
下塗りが乾かないと次の工程に進めないため、施工期間が長くなりがちです。
工期が長くなると、それだけ人件費などもかさんでしまいます。

また、施工には高い技術が必要なため、技術料も高くなりがちです。
普通の外壁に比べると、コストがかかることは覚悟しておかなければなりません。

施工に高い技術が必要

漆喰壁は、左官工事によって作られます。
この工事には一定に技術が必要で、職人さんの技量がそのまま仕上がりに大きく影響してくるのです。

しかし、近年腕のいい左官職人さんは減少しています。
そのため、腕のいい左官職人さんを見つけるのがかなり大変な状況なのです。
また、腕のいい職人さんはスケジュールがいっぱいで、なかなか工事に入ってもらえないおそれもあります。

技術力の高い職人さんを見つけることが、漆喰壁を作る上で最もネックになるといえるのです。

既存の外壁を漆喰にリフォームする手順

写真:漆喰

最近では、古民家のような外観の自宅を実現するため、漆喰壁へのリフォームを検討している方もいるようです。
そこで、既存の外壁を漆喰壁に変更する順序を紹介しておきましょう。

モルタル下塗り

漆喰壁は、モルタルの上に漆喰を塗りつけて作ります。
そのため、まずはモルタルを下地として施工しなければなりません。

モルタルは、防水シートに金網を貼り付けて塗っていきます。
漆喰は防水性能がないため、防水シートをきちんと施工しないと建物内部に水が浸入してしまいかねません。

モルタル接着増強剤塗布

モルタルと漆喰の接着力を高めるため、専用の接着剤を塗っていきます。
使用しないケースもありますが、接着力が高まるのでより安心です。

せっかく費用をかけてリフォームするなら、より丈夫な物を作るようにしてください。

漆喰塗布

漆喰壁は、中塗りと仕上げの2回塗りで作っていきます。
基本的には同じ漆喰で構いませんが、中塗りに下地専用の漆喰を選択することもあります。

仕上げ塗りを実施するには、中塗りが完全に乾燥していなくてはなりません。
漆喰は塗装より乾燥に時間がかかるので、しっかり乾燥していることを確認して作業してもらってください。

リーズナブルに漆喰の見た目を楽しむ方法

上記で紹介したように、漆喰壁にリフォームするにはかなりの工程を必要とします。
ということは、費用もそれなりに高額になるということです。
そのため、完全に漆喰壁にリフォームするのは、少しハードルが高いと言えるでしょう。

「そこまで費用をかけられない」という方には、塗装するだけで漆喰調の見た目になる塗料がオススメです。
たとえば、アイカ工業のジョリパッドシリーズや、菊水化学工業のグラナダシリーズが漆喰調の塗料としては有名です。

ただし、あくまで漆喰のような見た目になるだけなので、機能や耐用年数に関してはもとの建材の通りとなります。

漆喰壁のメンテナンス方法

漆喰壁は、正しくメンテナンスを実施すれば100年以上持つ強固な外壁です。
このメリットを最大限活かすため、メンテナンス方法を紹介しておきましょう。

汚れは消しゴムで落とす

漆喰は真っ白な見た目が魅力ですが、汚れてしまうと一気に台無しになってしまいますよね。
特に真っ白な漆喰では、汚れがかなり目立ってしまいます。
そこで、汚れはこまめに落とすようにしてください。

漆喰に付いた簡単な汚れは、消しゴムで落とすことができます。
少し頑固な汚れなら、塩素系の漂白剤を水で薄め、布で拭けばキレイに落とすことができます。

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ただし、酸性の洗剤は絶対に使ってはいけません。
漆喰自体がアルカリ性のため、酸性洗剤と反応して溶けてしまいます。

ひび割れや傷は早めの補修を

漆喰は傷やひび割れに弱い外壁ですが、部分的な修繕が可能となっています。
そのため、傷やクラックが入ってしまったら早めに修繕することが大切です。

もし、外壁全体が激しく劣化しているようなら、一度表面の漆喰をはがして塗りなおす必要も出てきます
そうならないように、早めに傷やクラックには対応するようにしてください。

漆喰壁に普通の塗料は塗装できない

漆喰壁に、普通の塗料を塗装することはできません。
普通の塗料では密着性が非常に悪く、1~2年もすれば剥がれてきてしまうのです。

漆喰壁に塗料を塗装する場合は、漆喰専用の特殊な塗料が必要となります
代表的な漆喰専用の塗料としては、日本ペイントの「ケンエース」や、関西ペイントの「アレスシックイ」がありますね。
これらの塗料以外は塗らないように注意してください。

無理に塗料を使わなくても、漆喰を塗り増しすることでメンテナンスすることもできます。
機能性なども考慮に入れて、あなたに最適な選択をするようにしてください。

漆喰のメンテナンスも辻塗装までご連絡ください

漆喰外壁は、適切なメンテナンスを行えば非常に長持ちしてくれます。
大切なマイホームに長年住み続けるためにも、定期的にプロの診断を受けることをオススメします。

もし、お宅が漆喰の外壁でメンテナンスをご検討中なら、まず私たちにご相談ください。
福岡全域で豊富な実績を持つ私たちなら、漆喰外壁のメンテナンスについても豊富な知識と技術を持ち合わせています。
あなたの大切なマイホームを守るため、最適なアドバイスができると思いますよ。

私たち辻塗装は、お客様とのお付き合いを何よりも大切にしております。
全ての客様にご満足いただけるよう、正確かつ丁寧な施工をいたしますので、何でもお気軽にお問い合わせください。


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