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木造の外壁は塗装する?塗料選びやメンテナンスのポイント

木造の外壁は、木の温もりが感じられるため最近よく目にします。
素朴な色合いと優しい雰囲気があり憧れの住宅ですが、維持して行くためには細やかな手入れとメンテナンスが必要です。

特に木造の外壁は、一般的なサイディングとはメンテナンスが異なります。
そこでここでは、「木造の外壁にはどのような塗料が向いているのか」「塗り替えのタイミングはいつ頃が良いのか」など、木造の外壁塗装ついてご紹介していきます。

目次

木造外壁の基本情報

木造の外壁とは、その名前の通り木材を板状にして張り付けた外壁です。
古くより根強い人気があり、日本の風土によく合うと言われ使用されてきました。
まずは、そんな木造外壁の基本的な情報から見ていきましょう。

木造外壁に使われる主な素材

木造外壁に使用される素材は、主に杉やひのき、ヒバなどです。
商品としては、天然木を塗装した・塗装羽目板・焼杉板仕上げ・ウッドロングエコ、MDF、パーチクルボードなどがあります。

木造外壁は、木のあたたかな色合いがよく、シンプルなデザインなのにいつまでも飽きがきません。
これこそが、木材外壁の特徴であり人気の秘密なのだと思います。

木造外壁のメリットとデメリット

次に、木造の外壁のメリットとデメリットを比べてみましょう。

メリット デメリット
  • 無駄がない(廃材なし)
  • 湿度調節ができる
  • 断熱性がある
  • 温かみがある
  • デザインが良い
  • 年月により味がでる
  • 高温多湿に弱い
  • 腐食、カビ
  • シロアリの被害
  • 日光や紫外線による変色
  • メンテナンスまでの期間が短い
  • 価格が高い
  • 使用できない地域がある
メリット

木造の一番のメリットは、デザインと温かみにあります。
年月を重ねていけば、それだけ深い色合いにも変化していきますね。

また木は生きていますから、湿度の調節の役割と、日光からの熱を遮る働きも担ってくれます。

デメリット

木造の外壁は、水が弱点です。
雨や風、台風などの多い日本では、かなり大きな障害といえます。
高温多湿となり、木を腐食させてしまいます。

また、毎日紫外線を浴びることにより変色して、見映えが悪くなってしまうこともあります。
他の種類の外壁とくらべると、このような不具合を防ぐためにかかるメンテナンス期間と費用の高さもネックになってしまうようです。

そして、最大の問題は使用できない地域があるということでしょう。
火災防止のため、木造外壁に制限や使用不可になっていないかを確認しておく必要があります。
「準防火地域」「法22条区域」の表示があれば、あきらめるしかありません。

木造外壁に外壁塗装が必要な理由

アメリカやヨーロッパなどでは、丸太をそのまま使用した建物も見かけます。
このような住宅は、100年はもつとうたわれています。
しかし、日本の気候は高温多湿なため、メンテナンスが必要です。
木造外壁を健康に維持していくためには、外壁塗装が必要になるのです。

外壁塗装は、以下のような役割を担います。

  • 防水性
  • 防火性
  • 美観
  • 断熱、遮熱性
  • 防汚性
  • 耐久性
  • 防虫(防蟻)

これらの機能を維持して、木材自体の劣化を防ぐ必要があります。
木が持っている独特の風合いを楽しむためにも、住まいを守るメンテナンスは欠かせないのです。

近年の主流は木造サイディング

木造の外壁で、最近主流となっているのは「木造サイディング」です。
木造サイディングは、簡単に言えば天然木で出来ている板状のサイディングボードです。
鉄骨造住宅や鉄筋コンクリート住宅でも、この木造サイディングを張り付けるだけで木造のような外壁が出来上がります。
もちろん木造住宅にも利用でき、作業工程も簡単で日数も短くて済むといった特徴があります。

しかし木造ということから、防火性と防水性が低いといった弱点も持ち合わせています。
長持ちさせるためには木造外壁と同じく、こまめなメンテナンスを欠かさないようにすることが一番良い方法です。

木造外壁の塗り替えのタイミング

木造の外壁塗装は他の外壁に比べると、メンテナンスは多少早めになります。
メンテナンスまでの期間は、だいだい3~5年とお考えいただくと良いでしょう。
それ以前であっても、外壁の劣化状態によっては補修が必要です。

外壁にこんな症状があるなら要注意

外壁の劣化は、目に見える不具合がほとんどです。
たとえば、外壁にこんな症状はないでしょうか。

  • 膨らみや形状が違う箇所がある
  • カビが生えている
  • シロアリが飛んでいる
  • 外壁が腐っている
  • 塗装(塗膜)の剥がれがある

このうち、1つでも当てはまれば要注意です。
木造外壁は、腐りさえしなければ崩れてくることはありません。
しかしジメジメと湿気が高い状態のままだと腐食してしまい、シロアリの格好の住みかとなってしまいます。

また木材は、濡れたり乾いたりを繰り返し、膨張と収縮を繰り返すため、形状が変わって塗装がはがれやすくなります。
そのため、木造の外壁塗装は3~5年しかもたないという結果になってしまうのです。

木造の外壁塗料は2種類

外壁塗装で使用する塗料は、素材にあったものを選ぶ必要があります。
ここからは、木造外壁で使用する塗料をご紹介していきましょう。

木造外壁に適した塗料は、大きく分けて2種類あります。
それぞれに用途や効果に違いがあるため、どのような仕上がりを期待しているのかで選択してください。

造膜型塗料(造膜タイプ)

造膜型塗料は、素材の表面に塗膜を作る塗料です。
下塗りと上塗り用があり、お互いの役割にも違いがあります。
使用する際には、相性を確かめてから使用しなければなりません。

  • 下塗り:素材への塗料の吸い込みを防ぎ、上塗り塗料との接着を良くする役割があります。
  • 上塗り:木材と下塗り用の塗料を保護して、木材に色をつけます。

造膜タイプの塗料は、木材を外から保護するため耐久性が高いメリットがあります。
その反面、季節や気候による木材の伸縮にはついていけず、塗膜が剥がれたりヒビが入ったりするデメリットもあります。

また塗膜で覆われてしまうことにより、多少は調湿機能も劣ってしまいます。
色を変えたい方や少しでも耐久性を伸ばしたい方、自分で手入れをあまりしたくないという方は、造膜タイプを選択するほうがよいでしょう。

浸透型塗料(浸透タイプ)

浸透型塗料は、素材の中に浸み込ませるタイプの塗料です。
木材の表面だけでなく内部まで保護するため、木材全体を守ってくれます。
柿渋やオイルステインなどがあげられ、複数回塗り仕上げをすることが可能です。

浸透タイプのメリットには、木の伸縮をさまたげずに木材のもつ特徴や機能をそのままを生かすことができる点があげられます。
しかし、造膜タイプと比べると耐久性と耐水性は劣ってしまいます。

そのため不具合がないかの点検も小まめに行い、早めはやめに手を打つのが最善策です。
自分で手をかけ作業するのが好きな方なら、浸透タイプの塗料がおすすめです。

木造外壁を守る塗料選びのポイント

塗料を選ぶ際には、いくつか気をつけておくべきポイントがあります。

  • 過去に使われていた塗料はなにか
  • 必ず「木材用」を選ぶ
  • 「屋内用」または「屋内用・外部用」を確認
  • シロアリ対策はできているか

意外と忘れがちですが、今まで使っていた塗料を確認しておく必要があります。
なぜなら、浸透タイプを使用していたなら木材の内部にまで塗料が浸透しているため、剥がすことができません。
この場合は、同じく浸透タイプの塗料を使い続けることをおすすめします。

また、紫外線吸収剤が入っている塗料や、腐食を防ぐ防腐塗料、防蟻塗料など目的に合わせた塗料選び、長持ちさせる工夫をしていくことも大切なことです。

塗装の流れ

外壁塗装は、すぐに塗装をして終わりではありません。
塗装までには準備や点検があり、補修箇所が見つかればその部分を修理してからとなるため、必ず工事期間と流れを把握しておくようにしてください。
工事の流れを把握していれば、手抜き工事を見抜く手助けにもなります。

外壁塗装の流れは以下の通りです。

  1. 外壁の状態を確認。劣化箇所や、雨漏りなどがないか点検します。
  2. 点検内容を照らしあわせて、最適な工事を決めます。
  3. 塗装の準備となる足場を組み、養生シートを敷き、建物を覆う作業を行います。
  4. 外壁を洗浄します。
  5. 古い塗料を除去します。
  6. 補修。最初の点検で見つかった不具合は先に修理を行います。
  7. 塗装は基本3回。サンドペーパーで表面をなめらかにして下塗りをして乾燥させます。もう一度サンドペーパーで表面をこすり、上塗り塗料を塗り仕上げてもいきます。ペンキの場合一度で大丈夫のものもありますが、できればもう一度重ね塗りするほうが良いでしょう。ステインなら重ね塗りで仕上げるか、透明の艶出しで仕上げることもできます。
  8. 足場と養生シートなどの撤去と片付け。
  9. 確認。

塗装以外にも多くの工程があるため、全体で1週間から2週間程度は必要です。
余裕をもって、工事ができるよう日程を確保することも大切です。

プロに任せるかDIYで済ませるか

塗装はペンキを塗るだけなので、「DIY でも出来そう」と考えている方もいるかもしれません。
大切な建物を自分で維持できれば、これ程やりがいがあり嬉しいことはありませんね。

しかし、2階建て以上の建物になると、素人には危険が伴ってきます。
足場を組んでもらったとしても、プロのような仕上がりにすることはかなり難しいことです。

また、DIY をするとなれば、たくさんある塗料の中から自分で選び道具まで揃えていかなければなりません。
時間と手間がかかる作業を、すべて1人行うということになります。
それが楽しいという方には向いているといえますが、建物丸ごととなればかなり厳しいのが現実でしょう。

ウッドデッキの塗装などは、そこまで手間もかからないためDIYでも問題ありません。
しかし、危険を伴う建物全体の塗装の場合は、プロに任せた方が無難でしょう。
外壁塗装は、建物を守る大切な役割を担っているので、中途半端な仕上がりでは住宅の寿命を縮めてしまいます。

ただ、木造の外壁塗装は寿命が短いため、日常のメンテナンスは重要なポイントです。
小さな不具合を自分で補修する程度のDIY なら、家や建物を大事に守っていくという意味でも、大いに活躍できるためオススメします。

木造外壁の塗装にかかる費用

木造外壁の外壁塗装の相場は、下地処理から塗装まで全てお任せすると以下のようになります。

1㎡あたり 7,000円~13,000円
施工費用 30坪で60万円~120万円
修理(雨漏りや木材に割れなど)が必要となれば、その分が加算され費用が増えることもあります。

業者に依頼する際に気をつけておくことは、必ず数社に見積もりを依頼することです。
面倒かもしれませんが、下調べをして相場を知ることは失敗しないコツでもあります。

  • 見積もりは数社に依頼
  • 内容は細かい部分にまで目を通しておく
  • 安すぎる業者には注意

この3点には十分に気をつけて依頼するようにしてください。

実は、DIY で塗装をしても30~50万円ほどの費用がかかってしまいます。
「業者にお任せするより費用を安く抑えられる」ともとれますが、手間を考えるとそれほど大きく変わることはありません。

DIY だと実際に作業できる日も限りがあるため、完成までにかなりの工期がかかってしまいます。
せっかく休みがとれたと思っても、その日に雨が降ってしまったら作業ができません。

そして気になるのが、高所部分の作業です。
足場を組んだとしても、慣れていない分危険が伴ってきます。
もしも落下して怪我をしてしまったら、大変なことですよね。
このようなリスクと作業時間、万が一失敗してしまった時の費用などを考えると、業者に任せるほうが得策と言えるでしょう。

また、完成した時の出来上がり具合も格段に差があるのは間違いありません。
長い目で見て考えると、日頃のメンテナンスは出来る部分は自分で行い、大がかりなことはやはりプロの職人の力を借りるのが建物の寿命を延ばすコツです。

木造外壁の塗装も辻塗装にお任せください

木造の外壁は、温かみを感じるため近年人気が出てきています。
年月と共に深い色合いもでて、デザイン性も抜群です。
しかし、木造外壁はメンテナンスを怠ると、他の外壁より劣化が早いので注意しなければなりません。

塗装の周期も短いため、劣化の兆候には気を配ってください。
もし、劣化の症状が分からないようであれば、プロの塗装業者に相談してみるのも一つの手といえるでしょう。

もし、福岡で木造外壁のメンテナンスをお考えなら、私たち辻塗装にご相談ください。
辻塗装は、福岡近郊にて住宅だけでなく学校やビルの塗装も手掛ける塗装の専門店です。
経験豊富な職人が、比較的難しい木造外壁の塗装もご満足いただける仕上がりでご提供しますので、お気軽にお問い合わせください。


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